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成年後見人の立場を悪用した財産管理事件

 04, 2010 15:09
 「成年後見人 立場 悪用」とYAhoo!検索すると、4,190の件数が一瞬に引っかかってくる。
 成年後見人の立場を悪用した事件が、かなり多く発生していることか。

 ところで、社会福祉士が引き起こした着服事件について、昨日(平成22年12月3日)の産経新聞の記事を引用する。
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【引用始め】

 社会福祉士の52歳逮捕 認知症高齢者らの預金着服疑い

 成年後見人の立場を悪用し、認知症の女性らから預金を着服したとして、東京地検刑事部は2日、業務上横領の疑いで、社会福祉士の藤井弘美容疑者(52)を逮捕した。
 調べによると、藤井容疑者は平成21年7〜11月、自分が成年後見人となっていた認知症の80代女性から預かっていた預金口座から、20回にわたり計1489万円を着服したほか、同年11〜12月には、同じく成年後見人となっていた知的障害がある40代女性の預金口座から、2回に分けて計406万円を着服した疑いがもたれている。
 藤井容疑者を成年後見人に選んでいた東京家裁の告発や弁護士の告訴を受け、地検が捜査していた。(産経新聞、平成22年12月3日より)

【引用終わり】
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 こういうことを聞くと、やりきれない。出来心でやってしまったではすまされない。
 こうした問題を防ぐため、次のような倫理綱領を制定している。。

 社会福祉士会の倫理綱領の倫理基準では、「利用者に対する倫理責任」において『(利用者との関係)社会福祉士は、利用者との専門的援助関係を最も大切にし、それを自己の利益のために利用しない。』としている。
 だから、社会福祉士会では「報酬以外の受け取りを禁じている」。
 逸脱行為をはたらけば、上記のように告発されることになるのは当然だ。

 ところで、成年後見人が親族の場合、結構厄介である。
 財産の私物化に対して、余り罪の意識がないのである。
 小川慎一氏はブログ(http://dhatena.ne.jp/ogawa-s/20080704)の中で次のように述べる。

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【引用始め】

目立つ親族の立場悪用

 未成年者や判断能力が衰えたお年寄り、障害者らの後ろ盾となった後見人が、その立場を悪用し、財産を横領する事件が後を絶たない。親族の信頼関係を前提とする後見が多いなか、専門家は「親族は財産を私物化してしまいがちだ」と指摘。親族以外の後見人の充実や、選任後の監督強化など対策が求められている。

最高裁によると、成年後見の場合、親族が後見人となる割合は全体の83%(二〇〇六年度)。未成年後見では、実際の生活を支援する必要があるため、近い親族が後見人になることがほとんどだ。

現状について、自身が後見人として未成年者や障害者を支援している延命政之弁護士は、「親族後見は、財産への権利意識があいまいになりがちだ。悪意がなくても、親族がほかの家族のために財産を使うことがある」と親族後見の難しさを指摘する。

例えば、精神障害者のいとこの女性の財産を着服し、業務上横領罪で〇六年十二月に横浜地裁で実刑判決を受けた元後見人の女は、法廷で、亡くなった女性の母親の面倒を長年みていたため、「女性の財産の一部はもらえると思った」と供述していた。

後見人の不正を監督するのは家裁だが、成年後見だけでも年間三万件もの申し立てがある。司法書士らでつくる「成年後見センター・リーガルサポート」(東京)の松井秀樹さんは「後見人が増え、家裁の監督が行き届いていない。弁護士や司法書士が後見監督人になって、不正を防ぐことが重要だ」と話す。

延命弁護士は「身寄りのない一人暮らしの高齢者が増え、市民が特定非営利活動法人(NPO法人)などをつくって後見にあたることも必要だ。弁護士や自治体が支援して、後見人を養成する必要がある」と強調した。(小川慎一)

後見制度 親権者のいない未成年者や、認知症や知的障害、精神障害などの理由で判断能力が不十分な人に代わって、後見人が財産管理や実際の生活を支える民法上の制度。成年後見制度は2000年4月に導入され、親族や市町村長などの申し立てを受けて家裁が後見人を選ぶ「法定後見」と、将来に備えて本人が自由に選ぶ「任意後見」の2種類がある。

【引用終わり】

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 障害者にとって、成年後見制度といった権利擁護の制度も、権利侵害被害に巻き込まれるリスクもあることを知っておかねばならない。
 (ケー)
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