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本人が望む普通の生活を実現する制度(第5回目)〜家族支援から社会支援へ〜

 27, 2010 07:54
 以下のセミナーを受講して、本人が望む普通の生活を実現する制度(第5回目)について、第4回目に続いて述べる。

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○ 11月17日(水)「(2010年度)第12回権利擁護セミナー」
○ 会場=日本財団(東京都港区赤坂)
○ テーマ=「これからの成年後見と虐待防止〜知的障害のある人の権利をまもる〜」
○ 主催=社会福祉法人全日本手をつなぐ育成会
○ 第1部 基調講演 11/17水曜日、10時〜10時50分
○ 基調講演講師 細川瑞子氏(全日本手をつなぐ育成会・権利擁護委員・中央相談室長)
○ 基調講演テーマ「身上監護の福祉システム化をめざして〜本人の『生きる』を支援するために〜」

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【講演内容】

知的障害者の支援は社会問題・・・家族による支援からの転回・脱却

 細川氏は、「知的障害者の支援は社会問題であり、家族による支援を当然視すること」の問題点を次のように指摘する。

1 「『親なき後』問題は、決して『親なき後』に限った問題ではない。」

2 「親はこれまで、成人した知的障害の子の世話をしつつ、一緒に暮らすことを『普通の生活』だと思い、親が元気で世話できる間は子の世話をすることを、余りにも当然だと思い込んできた。」

3 「知的障害のある人への支援は、家族問題と捉えられてきた。」

4 「世話とは、介護を含む、就労や福祉利用等、子の生き方の選択をも包含する『支援』である。成年後見制度でいうところの法律事務と、それには含まれない事実行為を包含する内容である。」

5 「少子化や核家族化、高齢化といった社会構造の変化が、知的障害者の一生の支援を、家族問題から社会問題へと変質させた。」

6 「親子関係には相互に扶養義務があるとはいえ、未成年の子に対する親の扶養義務と、成人した障害の子に対する親の扶養義務は違う。」

7 「ノーマライゼーションの理念に照らしても、子が成人した後も、親が同居して世話することに疑問を持たなければならない。」

8 「そうでなければ、家庭においても、社会においても、ひとりの人間として尊重されているとは言えない。」

9 「既に、同居していても、福祉サービス利用料の負担金を減らすために、親子での世帯分離をする家庭が多くなっている。」

10 「次は、同居による全面的支援から脱却すべきであろう。」

11 「親自身がその意識を持たない限り、社会はいつまでも、障害のある子が成人した後も、親が世話することを当たり前と思う。」

12 「それでは、こんな子を持って気の毒に、と親に対して同情こそすれ、親元で世話されている成人した障害のある人の支援について、社会側が考えていかなければならない問題であることに気づかない。」 

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 障害のある子をもった親たちは、家族でなんとかしようともがき苦しんできた。
 苦しめば苦しむほどドロ沼にはまり、悲劇的な問題を引き起こすケースも少なくなかった。
 できないことは、正直にできないと、社会に訴える姿勢が必要である。
 特に、成人した障害者を、家族が丸抱えで面倒みることは愛情あることのようにみえるが、それは不自然性なことでもある。
 こうしたことは、「ひとりの人間として尊重されていない」のだ。
 なんにもできない子だからとか、親が責任をもつしかないといったあきらめである。
 このように、親たちがあきらめといった消極的態度でいるとしたら、社会を変える力は弱い。
 そして、障害のある子を持つ親や家族が、今までどおり家族問題としてだけとらえる傾向が強いとしたら、社会の側も真剣に障害者問題を考えてくれない。
 結局、同情程度で終始してしまう。
 障害者問題を家族の視点だけに止めておかず、社会問題として訴える視点が必要である。
 
 (第6回目に続く)
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