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スコットランドの福祉就労では無給と言っていい

 06, 2019 05:00
 「ゆたかカレッジ」の理事長は、オーストラリアで開催された国際学会においてスコットランドとオマーンの研究者と意見交換した。
 その国における知的障害者の給与や高等教育に対する考え方を聞くことができた。
 日本と同様、給与水準が極めて低いといった実態にあることがわかった。
 また、カレッジなどの高等教育も十分普及していない。ごく限られた人たちを受け入れている状況である。

 以下において、そうした内容が詳しく述べられている。  
 本報告書の引用は第319回目だ。
 
 

【引用はじめ】

file:///C:/Users/仁/AppData/Local/Microsoft/Windows/INetCache/IE/ZKHT9TQV/kaigaishisatsu.pdf
諸外国における 知的障碍者の大学進学 ~アメリカ・カナダ・オーストラリア・韓国の現状~
社会福祉法人鞍手ゆたか福祉会 海外知的障碍者高等教育研究班
長谷川 正人・長谷川 美栄・志免木 章・井手 祐輔/他
2016年11月30日

第5章 諸外国における知的障碍者の大学進学

第7節 スコットランド・オマーンにおける知的障碍者の大学進学と就労支援
   ダイアン・ウイルス (スコットランド・エディンバラネピア大学教授) (オマーン・大学研究室所属)

 長谷川:そうした人たちは給料どのくらいもらっているのですか。

 ダイアン:それが結構難しいところです。
  そこで給料をもらえば、いろいろな手当を失ってしまうのです。
  だから無給でそこで仕事をするということです。
  昔は、少額ですが 1 週間に 5 ポンド、10 ドルぐらい、1,000 円ぐらいでした。
  本当にシルシっていうか、お気持ちだけということなのですね。結構、自立生活支援補助金だとか、障碍者のための特別手当と
 か、そういうものを失ってしまうのですね。
  そこで給料もらうと。だから、例えば研究のためにどこか行きましたと。
  その旅費を使用するとか、食事のためのいくらとか、それがわずか 5 ポンド、1,000 円ぐらいであったとしてもそれが手当を失って
 しまうというようなケースもあるわけです。

 長谷川:オマーンも同じですか。

 XXX:個人的に行っているところがコミュニティの中でチャリティの仕事をしたいという人がいます。
  例えば、農場を持っている人が農場の仕事を手伝ってもらうと。
  そうするとそこでできたものの売り上げの何%かをそこに還元するとか、あるいはちょっとした給料を払うというようなことはやって
 います。
  でもこれはあくまで個人的な活動であって組織的、制度的にやっているということではありません。
  だから例えば、漁師さんが自分の船を持っていると必要なときに安く労働力を手に入れられるということから、そういう人たちを雇う
 という場合もあるのです。
  ただし、あまり大きな給料ではないけどサラリーとして給料を貰うわけですね。
  ただ、魚なら魚の売り上げの何%はみんなでシェアをするという制度があるわけです。
  協同組合みたいな感じです。だから、コミッションという言い方をすればいいですね。
  そうすると、自分たちが一生懸命仕事をすればその一部は自分たちに返ってくるので、ある意味では自分たちがやっている仕事、
 自分のものという感覚があるのですね。
  それが良いところだというふうに思います。
  ただ、そういう仕事をやっている人はとてもいい方なのだけど、果たしてその息子さんが同じような仕事を引き継いでやってくれる
 かというとそれはわからない。
  あくまで個人の考え方ですね。

 長谷川:学校を卒業して、知的障碍者の一般就労する人の比率はどのくらいですか。

 ダイアン:非常に少ないです。多分 13%以下ですね。

 長谷川:普通の人が、知的障碍者が大学に行くということについてどう思いますか。

 ダイアン:「考えもしない」「頭を通り越してしまう」ということですね。
  小学校、中学校、高校があって、そしてカレッジがあるのですが、カレッジになって初めてバスの使い方とか料理の仕方だとか、そ
 ういうことを勉強するのです。
  だからそういう意味ではライフスキル、生活のスキルを学ぶところだということです。
  カレッジの中で障碍者のためのユニットというのがあって、そこでそういうものを教えているということですね。
  社会的インクルージョンのはずなのだけども、決してそんなことはない。
  つまり、他とは隔離されたユニットだから交流はほとんどないということです。
  カレッジの中に障碍者の人たちが運営するカフェがあるというのがありました。

 長谷川:そういったカレッジの中に障碍者クラスというかグループがある大学の比率ってわかりますか。

 ダイアン:少ないと思います。よくわからないのですけど、それについての調査を実はしたいなと思っていたところなのです。

 長谷川:何年ぐらい前から大学での受け入れが始まったのですか。

 ダイアン:随分昔からそういうことはやっていたのです。ただ、数が限られています。
  ただ、受け入れの数が決まっているのでなかなか入るのが難しいです。カレッジで 2 年間ということです。
  一度卒業して、必要であれば戻ってくるという感じです。

 長谷川:それって、ウェブサイトで情報を得られますか。

 ダイアン:あるかもしれません。

  

【引用おわり】

 知的障害者はスコットランドやオマーンにおいても、社会的に恵まれてないことがわかる。
 給与にしても満足いくものになっていない。
 カレッジなどの高等教育も限定的。
 その国々の実情があって簡単には解決できない。
 その克服に向けての世界的な取り組みが必要である。
 こうした取り組みは、日本の実情を変えることにもつながる。                          

(ケー)
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