知的障害者 ・発達障害者の情報アクセスに関する議論

 08, 2017 05:00
 知的障害者等に対する情報アクセスの必要性が、今まで十分議論されてこなかった。
 知的障害者の言語理解が困難という理由から、言語情報の必要性が論じられてこなかったのである。
 しかし、障害者に対する権利擁護という立場から、情報保障もなされなければとの社会認識が高まってきた。
 国連においても、そうした条約が採択されたのである。
 以下そうした経緯が説明されている。

 打浪(古賀) 文子氏の論文からである。
 本論文の紹介は第14回目である。連続で紹介している。



【引用はじめ】

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jajls/17/1/17_KJ00009727988/_article/-char/ja/
社会言語科学
Vol. 17 (2014-2015) No. 1 p. 85-97
知的障害者への「わかりやすい」情報提供に関する検討 : 「ステージ」の実践と調査を中心に
打浪(古賀) 文子( 淑徳大学短期大学部こども学科 )

2. 知的障害者への 「わかりやすい」 情報提供の学術的課題

2.3 先行研究の整理と学術的課題

 まず,①の知的障害者 ・発達障害者の情報アクセスに関する理念的議論についてである.
 2006年に国連にて採択された「障害者の権利に関する条約」では情報 ・通信やコミュニケーションの保障に関する条項が策定され , 知的障害者を想定した情報を平易にすることへの配慮が織り込まれた.
 権利擁護の観点から情報提供についての合理的配慮を行うべきという理念が世界的な認識となりつつある .
 国内の知的障害者の言語的な諸問題に踏み込んでより具体的に理念を論じたものとして , 古賀 (2006),あべ(2009)などからの問題提起がある.
 知的障害者を言語的弱者としてとらえるのではなく, これまで知的障害者を言語的弱者としてきた社会と言語のあり方こそ問題であるというパラダイム転換の必要性が示唆されている (古賀, 2006).
 知的障害者は言語理解に困難を生じることから言語情報を必要としていないという社会的通念は根深い(打浪,2011).
 知的障害者への情報保障に関する理論的構築及び社会的認識は未だ充分になされるに至っていないが ,情報保障を一つの「権利」ととらえるのであれば, 権利擁護の観点からは徐々に一定の論拠が整備されつつあるといえよう.

(つづき)

【引用終わり】



 知的障害者を言語的弱者として今までとらえてきた。
 そのため、知的障害者には言語情報に関する配慮が十分なされてこなかった。
 それが社会的に常識化してきた。
 知的障害者への情報保障の必要性が考慮されなかった。
 知的障害者の実情に即した情報提供によって、より豊かな生活ができるようになる。
 それが知的障害者の権利を守ることでもある。
 そうしたことが社会的も気付かれ始めてきている。
 知的障害者にもわかる情報保障がなされる社会づくりを推進する必要がある。     
     
  (ケー)
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