「わかりやすい本」づくりを発展させた文化的背景

 28, 2017 05:01
 スウェーデンには、「わかりやすい本」財団というものがある。
 知的障がいのある人たちのための「わかりやすい本」づくりが、20年以上前より行われている。
 1年の半年間は室内生活を強いられる。
 児童文学的な作品が国民文学として認められている。
 こうした文化的背景が、知的障がい者向けの「わかりやすい本」づくりのエネルギーとなっている。
 以下の引用において、その事情が説明されている。
  
 武井光氏による「わかりやすい本」製作活動に関する、第7回目の紹介である。
 


【引用はじめ】

http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/prdl/jsrd/norma/n218/n218_08-01.html

月刊「ノーマライゼーション障害者の福祉」1999年9月号(第19巻 通巻218号)

知的障害のある人のための「わかりやすい本」製作活動の動き

武居光

文化的背景と文化的挑戦

 スウェーデンがこうした援助(「わかりやすい本」づくり)を発展させてきた理由には、1年のうち半年は室内で過ごす生活があり読書が占める割合が高いことがある。
 さらに、リンドグレーン(代表作『長くつ下のピッピ』)やラーゲルレーフ(同『ニルスの不思議な冒険』)などの文学が児童文学という枠組みではなく、国民文学としてあるという文化的背景と無関係ではなさそうな気がする。
 センターには、専門スタッフのほかに数人の「本人モニター」がいる。
 彼らはセンターの出版物を評価したり、宣伝する役割を担っている。
 北欧会議の分科会で3人のモニターが司会者のインタビューで活動紹介をしていた。

(つづく)

【引用終わり】



 「わかりやすい本」づくりのために、「本人モニター」が専門スタッフとして位置づけられている。
 「本人モニター」の意見を取り入れた「わかりやすい本」づくりがなされている。
 こうしたことって当然と思うことだが、意外と忘れがちである。
 本人には無理だから、障がいのないスタッフでやってしまったりする。
 本人向けのものを作ろうとするのに、本人の意見なしで作るのは無理である。
 本人が読んでみて、試してみて、大丈夫かどうか確かめることが必要な事だ。
 それがなければ、決して本人向けでもないし、わかりやすいものでなくなる。
   
  (ケー)
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