「わかりやすい本」の出版

 22, 2017 05:00
 1999年に出版された論文から引用する。
 「わかりやすい本」製作活動に関する報告である。
 手をつなぐ育成会主体で行われた出版状況である。
 当時も細々と行われていた。
 現在も当時に比べて状況が一変しているとは言えない。
 「わかりやすい本」が普及拡大していない。
 以下に引用した内容は、その細々とした状況に関する貴重な報告といえる。
 
 わかりやすい情報提供のためのガイドラインに関する、第1回目の紹介である。
 


【引用はじめ】

http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/prdl/jsrd/norma/n218/n218_08-01.html

月刊「ノーマライゼーション障害者の福祉」1999年9月号(第19巻 通巻218号)

知的障害のある人のための「わかりやすい本」製作活動の動き

武居光

はじめに

 知的障害のある人に「読みやすい本」を作る活動がある。
漢字にふりがなをふるだけではない。
 文章をわかりやすくする方法としてたとえば、

● 長文は避け文章は20字程度の短いセンテンスで構成する
● 専門用語はできるだけ使わない(過労→はたらきすぎ)
● 形容詞や副詞は制限する(見事なまでに完成された建物→よくできた たてもの)
● 二重否定形は使わない(…できないことはない→…である)
● イラストや写真を文章と同じように大切にする
などである。

 このようにすれば知的な障害がある人の何割かは、自分で本を読むことができる。
 また読めない人の何割かは、だれかに読んでもらえば理解することができる。
 このような試行と手応えから、わが国で「わかりやすい本」が本格的に出版・販売されるようになったのは90年代になってからだ。
 この10年たらずの間に20冊近い本が出た。
 それほど多いとはいえないが、そのほとんどは出版を専門にしている会社からではない。
 知的障害児者の親の会「社会福祉法人全日本手をつなぐ育成会」が採算を度外視した形で出版している。
 主な本は店頭販売はしていない。
 注文はTEL03-3431-0668・FAX03-3578-6935へ。

(つづく)

【引用終わり】



 わかりやすい本のニーズは高まらない。
 ニーズがなければ供給も増えない。
 知的障がいのある人は、本を必要としない。
 そういった思い込みが関係者にもあるのかもしれない。
 今後、合理的配慮の観点からも「わかりやすい本」を増やしていく必要がある。
  
  (ケー)
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