本人の意図を読み間違える問題

 08, 2017 05:00
 障がいのある子とのコミュニケーションギャップによって、問題を生ずることがしばしばある。
 以下に引用した事例もその一つ。
 以前にも紹介したことがある。
 支援者が本人の要求を把握できなかった。
 そのため、本人が失尿してしまった。
 本人の要求を把握する手立てが早急に求められる。
 支援者も思い込みで対応することの問題もある。
 このケースでは、またトランポリンをしたいために離席しているとの判断をした。
 そうではなく、トイレに行きたかったための離席だったのである。
 その結果、尿をもらしてしまった。

 本論文の紹介は第237回目である。 



【引用はじめ】

http://web.econ.keio.ac.jp/staff/nakanoy/article/self_determination/report02.html
第1部 障害のある人の自己決定・自己管理を引き出すためのマニュアル
     主任研究者 中邑賢龍(香川大学)
     分担研究者 中野泰志(慶應義塾大学)
              坂井聡(金沢大学大学院)
              岩根章夫(姫路市総合福祉通園センター)
              中澤惠江(国立特殊教育総合研究所)

自己決定・自己管理を引き出すためのマニュアル

6 コミュニケーションが広がらない

6-B 誤解が生じる

6-B-5 伝え方が悪い

C-2 情報を構造化する

【事例】

T-5 意図を読み違えることにより本人の発信意欲の低下を招く

 対象は小学部に在籍する知的障害と自閉症を併せもっているT男である。
 コミュニケーションするときには,手を取って引っ張っていくなど直接行動とクレーンが多かった。
 授業中,本児が後の扉から出て行こうとするので,教師は,朝行った大好きなトランポリンを思い出して,教室から出て行こうとしているのだと思い,「トランポリンは後で」と伝え,席に戻していた。
 これらのことを数回繰り返した後,T男はその場で失尿してしまった。

 教師は,T男の行動を,朝行ったトランポリンであると思い込んでいたために,T男が伝えたかった「トイレ」というメッセージを理解することが出来なかった例である。
 支援する側の思い込みが強すぎる場合,間違った意図を読み取ってしまい,本来の意図が支援者にうまく伝わらないことがあるのである。

(つづく)

【引用終わり】



 本児の場合は、コミュニケーションはクレーン行動が主であった。
 これをもっとわかりやすい発信手段に置き換える必要がある。
 本人にとって頻繁に行う日常的な要求内容について、絵や写真で要求できるようにすることだ。
 発語によるコミュケーションを身につけるにはなかなか難しい。
 それに代わる視覚情報を提示するやり方だ。
 こうした手立てを積極的に導入することである。
 今までも繰り返しこうした内容を取り上げてきた。 
  
  (ケー)
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