写真等を使って一日の学校のスケジュールを伝える

 04, 2017 05:00
 今回はY君の事例を取り上げる。
 教室移動は指示待ち、次の活動も指示なしではできない。
 こうした生徒に対する支援をいかに行ったか。
 教師によって指示の仕方が異なり、パニックになったりと問題も生じていた。
 その改善のあり方である。
 一日の学校のスケジュールを写真・シンボルで提示することで落ち着いた活動ができるようなった。
 本人に一日の見通しを持たせることができたのである。
 写真等の提示をし、その活動が終わるとそれを裏返しするようにした。
 本人にとって有効な取り組みとなったと言える。

 本論文の紹介は第233回目である。 



【引用はじめ】

http://web.econ.keio.ac.jp/staff/nakanoy/article/self_determination/report02.html
第1部 障害のある人の自己決定・自己管理を引き出すためのマニュアル
     主任研究者 中邑賢龍(香川大学)
     分担研究者 中野泰志(慶應義塾大学)
              坂井聡(金沢大学大学院)
              岩根章夫(姫路市総合福祉通園センター)
              中澤惠江(国立特殊教育総合研究所)

自己決定・自己管理を引き出すためのマニュアル

6 コミュニケーションが広がらない

6-B 誤解が生じる

6-B-5 伝え方が悪い

C-2 情報を構造化する

【事例】

T-28 写真とシンボルの利用により一日のスケジュールを分かりやすく伝える

 養護学校の高等部に在籍する自閉症をもつY君は,教室移動が自分で出来ないために,移動の際や,次の活動に移る場合には,必ず誰かの指示が必要であった。
 その指示の出し方が,教師によってまちまちな場合,どの指示に従ってよいのか分からなくなり,混乱してしまい,その結果パニックを起こすこともしばしばあった。
 また,教師の指示は次にする活動を示すものであり,今日午前中に何があるのか,午後からはどのようになっているのかというようなことは理解出来る内容ではなく,本児の実態からも,伝えられたことからそれらを理解することは困難であった。

 そこで,写真とシンボルでその日のスケジュールを表す工夫をしてみることにした。
 学校生活に見通しをもつことが出来れば,落ち着いて活動することが出来るようになるのではないかと考えたからである。
 上から下にその日の活動を並べ,終わった活動からその写真やシンボルを裏返していくという方法で行った。

 その結果,自分でスケジュールを確認し,落ち着いて活動に取り組むことが出来るようになり,今まで活動のたびに出されていた指示はなくなり,混乱してパニックになることもなくなった。
 情報を分かりやすく伝えることで,見通しをもつことが出来るようになることが大切である。

(つづく)

【引用終わり】



 本人が見通しをもって活動できる状況を設定できた。
 スケジュールを一日の始めに提示し、それが終わるごとに活動を示す写真等を裏返しにすることだった。
 本人には、それが理解の助けになった。
 本人の理解を助ける手立てを見つけることの重要性を示す事例である。  
  
  (ケー)
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