適切な提示により本人が選択肢を理解する

 29, 2017 05:00
 本人の実情に即した対応がなされているか。
 支援者側が誤解している場合がある。
 音声によって2種から1種の選択が出来ていると思い込んでいる場合がある。
 それは最後に言った物を単に選択していたに過ぎなかった。
 反響言語で応えていた。
 こうした事例が以下である。

 本論文の紹介は第227回目である。 



【引用はじめ】

http://web.econ.keio.ac.jp/staff/nakanoy/article/self_determination/report02.html
第1部 障害のある人の自己決定・自己管理を引き出すためのマニュアル
     主任研究者 中邑賢龍(香川大学)
     分担研究者 中野泰志(慶應義塾大学)
              坂井聡(金沢大学大学院)
              岩根章夫(姫路市総合福祉通園センター)
              中澤惠江(国立特殊教育総合研究所)

自己決定・自己管理を引き出すためのマニュアル

6 コミュニケーションが広がらない

6-B 誤解が生じる

6-B-5 伝え方が悪い

C-1 情報を分かりやすくする(情報をアクセシブルにする)

【事例】

T-20 適切な提示により本人が選択肢を理解する

 対象は養護学校の小学部2年生の自閉症をもつXさんである。
 Xさんは,音声で伝えられたことを理解して行動することは出来なかった。
 例えば,選択をする際に音声で「牛乳にする。お茶にする」というと「お茶にする」と答え,「お茶にする。牛乳にする」と問うと「牛乳にする」と答えるのである。
 つまり,後のほうのことばを反響言語で応えるのである。

 最初は,音声で理解することが出来ていると思っていた担任の先生は,音声で選択する機会をもつようにしていたのであるが,上記のように反響言語であることに気がつき,選択の方法を変えた。
 ホワイトボードにラミネートされた磁石をつけたシンボルを貼り,それを使って選択することが出来るようにしたのである。
 2種類からはじめ,現在では10種類くらいある中から自分がしたいことを選んで持ってくることが出来るようになっている。
 選択肢を提示する際に,その人に理解することが出来るような形で提示する必要があるという例である。

(つづく)

【引用終わり】



 上記の事例は、音声理解が困難ということに気付き、視覚刺激によるシンボルを用いた。
 それによってうまくいった。
 10種類の中から自分のしたいことを選択するようになった。
 本人の実情に合った対応が、支援者との良好な関係を築いたのである。
 聴覚より視覚優位の本人には、シンボルが非常に有効であった。    
 
  (ケー)
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