シンボルコミュニケーション技法を利用する

 19, 2017 05:11
 ボードメーカーによって開発されたシンボルシートを活用して、コミュニケーションを活発にした事例が、以下に紹介されている。
 なかなか優れもののソフトウェアだ。
 活用しだいでは、本人と支援者等とのより良いコミュニケーションに役立つ。
 様々な場面で柔軟に使用できる。
 また、本人に合ったシンボルも登録でき、作成も可能である。

 本論文の紹介は第217回目である。 



【引用はじめ】

http://web.econ.keio.ac.jp/staff/nakanoy/article/self_determination/report02.html
第1部 障害のある人の自己決定・自己管理を引き出すためのマニュアル
     主任研究者 中邑賢龍(香川大学)
     分担研究者 中野泰志(慶應義塾大学)
              坂井聡(金沢大学大学院)
              岩根章夫(姫路市総合福祉通園センター)
              中澤惠江(国立特殊教育総合研究所)

自己決定・自己管理を引き出すためのマニュアル

6 コミュニケーションが広がらない

6-B 誤解が生じる

6-B-4 言葉が不明瞭

A コミュニケーション(発信)を支える技法(AAC技法)

A-4 シンボルコミュニケーション技法を利用する

【事例】

T-13 シンボルシートの利用により本人の意思伝達が可能になる

 対象はfくん。
 肢体不自由児の養護学校に通う中学部の1年生。
 脳性まひ(痙直型四肢まひ),高度難聴,知的障害とたくさんの障害を重複している。
 安定した座位保持装置に座れば,上肢を使用することが可能で,本をめくったり,複数のスイッチのついた玩具で遊んだりすることが出来る。

 補聴器はつけているが,話ことばの理解は全くない。
 しかし状況の理解はよく,小学部3年の時から次の活動の見通しをつけてもらうための「写真」を理解の補助手段として使用し始めた。

 fくんからの意図的なコミュニケーションは,予告の「写真」を見せると首を振って「拒否」するような場面から現れた。
 そのうち好きなビデオをかけてもらうために母親にさし出すエピソードや,大好きな新幹線を見に行きたいために,新幹線が書いてある絵本を父親にさし出すような場面が6年生頃から確認された。

 もう少し詳細にfくんに伝え,彼からの自発的なコミュニケーションを補償するために中学部の1年になってから積極的にシンボル(PCS:Picture Communication Symbol)を導入するようになった。
 まず理解面の補助手段として家庭での日課を伝えるために使われた。
 またより細かな内容を伝えるため,理解補助用にシンボルシートを作成した。
 シンボルの理解も進んでいるので,fくんが発信するためのシンボルシートを続いて作成した。

 ボードメーカー(Mayer-Johnson Co.)によって作成されたシンボルシート。
 最もよく使うのは,いろいろな店のロゴがある表紙。

 最近では,退屈な休みの日にシンボルシートの「○○百貨店」のロゴを示して「行きたい」と要求するようになった。
 彼の目的は買い物ではなく,百貨店の下にあるバスターミナルである。
 乗り物が大好きなfくんは,バスターミナルもとても好きな場所だ。
 「○○百貨店」の1階は大きなバスターミナルであることをよく知っているのだ。

(つづく)

【引用終わり】



 ボードメーカーのシンボルシートは、使う人に合わせたものにすることができる。
 本人が必要とするシンボルを登録してゆくことで、便利なツールとなる。
 本人用の便利グッズにすることができるのだ。      
 VOCA(携帯用会話補助装置)との親和性あるテンプレートも用意されている。

  (ケー)
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