デジカメの写真で行きたい店を選ぶ

 24, 2017 05:05
 R男くんの事例をまた取り上げる。
 R男くんが望む店の選択を誤ってしまった。
 それがR男くんのパニックを引き起こした。
 母とのコミュニケーションギャップの原因は、母の思い込みからくるものだった。
 行きたいのはスーパーはスーパーでも別なスーパーだったのだ。
 それをデジカメで取りだめしていた写真を、R男くんに示すことで気づくことができた。
 デジカメの写真は選択肢を増やせる道具としてとても便利なことがわかる。
 今回は、そうした趣旨でこの事例を取り上げている。

 本論文の紹介は第195回目である。 



【引用はじめ】

http://web.econ.keio.ac.jp/staff/nakanoy/article/self_determination/report02.html
第1部 障害のある人の自己決定・自己管理を引き出すためのマニュアル
     主任研究者 中邑賢龍(香川大学)
     分担研究者 中野泰志(慶應義塾大学)
              坂井聡(金沢大学大学院)
              岩根章夫(姫路市総合福祉通園センター)
              中澤惠江(国立特殊教育総合研究所)

自己決定・自己管理を引き出すためのマニュアル

6 コミュニケーションが広がらない

6-B 誤解が生じる

6-B-3 語彙が乏しい

A-5-4 選択の機会を増やすには

【事例】

T-19 デジタルカメラの利用により本人の語彙を増やす

 本事例の対象は,知的障害養護学校中学部に在籍するR男である。
 写真やシンボルを使ったコミュニケーション用のボードを使った指導を行い,必要時にボードから要求などを表すシンボルカードを取って,母親や父親のところに見せにくるようになっていた。

 ある日,R男が,S店(いつもよく行くお店)のカードを取ってきたので,母親が写真のお店に一緒に行った。
 しかし,駐車場で大きなパニックを起こしてしまった。
 その日は車からも降りず,パニックになったまま帰宅した。
 母親は,今までこのようなことはなかったのに,どうしてパニックを起こしてしまったのか分からなかった。

 そこで,家から行くことが出来る他のS店の写真(デジタルカメラ)も用意することにした。
 その結果,自分が行きたいS店の写真を選択して母親のところにもってくるようになり,それまでのパニックがなくなった。
 つまり,S店といっても,R男には行きたいS店があったということであり,語彙が乏しかったために,行きたいお店を表現することが出来なかったのである。

 デジタルカメラの活用は,この場合乏しい語彙を補足するために活用出来るということである。

(つづく)

【引用終わり】



 デジカメは利用のしかたで大変便利なものになる。
 視覚情報を提示することで、R男くんの要求にもこたえることができた。
 いろんな店を写すことで、その中から行きたい店を選べることも可能にした。
 語彙の不足している障がいのある子にとっては、なかなかの便利グッズといっていい。          

  (ケー)
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