Cくんは本当に外に出たがっていたのだろうか?

 17, 2017 05:00
 今回取り上げる事例も、今まで2回は紹介したものである。
 Cくんという全介助の6歳になる男児だ。
 外遊びするにも自ら出ることなく、支援者に連れられて行っていた。
 その子の自発性を見出した事例である。
 少しの可能性を見逃さず、支援者側が適切な促しによって園庭に出るという自発的行動を明らかにした。

 本論文の紹介は第188回目である。 



【引用はじめ】

http://web.econ.keio.ac.jp/staff/nakanoy/article/self_determination/report02.html
第1部 障害のある人の自己決定・自己管理を引き出すためのマニュアル
     主任研究者 中邑賢龍(香川大学)
     分担研究者 中野泰志(慶應義塾大学)
              坂井聡(金沢大学大学院)
              岩根章夫(姫路市総合福祉通園センター)
              中澤惠江(国立特殊教育総合研究所)

自己決定・自己管理を引き出すためのマニュアル

6 コミュニケーションが広がらない

6-B 誤解が生じる

6-B-2 コミュニケーションのルールが出来ていない

B-6 受信者の関わりを改善する(先読みを防ぐ,反応を待つなど)

【事例】

T-3 発信の機会を作ることにより本人の意思が分かる

 対象は重度の知的障害を持つCくん,6歳の男の子である。
 日常生活動作はほぼ全介助。
 食事も自分で食べることができず,フォークやスプーンで食べ物をすくうことを手伝う必要がある。
 Cくんは自分から行動することが少なく,いつも手を引かれていて,それに抵抗することもなかった。
 そのため,周りの人はCくんが何をしたいのかよく分からなかったし,そもそもしたいことがあるのかどうかさえ明らかでなかった。

 ある時担当の保育士は,Cくんが食後に園庭側の扉の近くに立ってウロウロしている事が多いことに気づいた。
 「外で遊びたいのね?」扉を開け,手を引き,靴を履かせ,一緒に園庭に出ることを何度か繰り返した。

 「でも,本当に外に出たかったのか?」と疑問に思った保育士は,Cくんが扉の近くでウロウロしている時にすぐに園庭に連れて行くのではなく,扉を少し開けて様子を見た。
 上手に手を使えないCくんだが,扉の隙間に体を入れてなんとか外へ出ようと頑張った。
 「やはり外に出たかったのか」Cくんの具体的な行動によって,彼の意図はより明確に分かった。

(つづく)

【引用終わり】



 何でもしてあげないとしようとしないと、初めから決めてかかることは、どんな子に対しても問題だ。
 全介助だから、できない子と決めつけていないか。
 こうした支援者側の問題がある。
 また、対応に手間がかかるので支援者側が手出しし過ぎている場合も考えなければならない。
 本人のやりたいを常に注視している必要がある。        

  (ケー)
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