誤解が生じる

 08, 2017 05:17
 障がいのある人とのコミュニケーションにおいて、本人の要求がうまく読み取れないことがある。
 そうしたコミュニケーション・ギャップによって、パニックが生じたりする。
 こうなると、本人も支援者も互いの関係がぎこちないものになる。
 スムーズな関係性が成立しにくくなる。
 特に、支援者側は問題が生じない限定的なもので対応しがちになる。
 新たなものを導入することを避けてしまう。
 結果的に、選択幅が極めて狭いものになってしまう危険性がある。 

 本論文の紹介は第179回目である。 



【引用はじめ】

http://web.econ.keio.ac.jp/staff/nakanoy/article/self_determination/report02.html
第1部 障害のある人の自己決定・自己管理を引き出すためのマニュアル
     主任研究者 中邑賢龍(香川大学)
     分担研究者 中野泰志(慶應義塾大学)
              坂井聡(金沢大学大学院)
              岩根章夫(姫路市総合福祉通園センター)
              中澤惠江(国立特殊教育総合研究所)

自己決定・自己管理を引き出すためのマニュアル

6 コミュニケーションが広がらない

6-B 誤解が生じる

 「飲み物を要求したから水を差し出したのにつき返された」,「リンゴが欲しいというので,王林を差し出すと,今度はいらないと拒否された」といったことがよく起こる。
 前者は,水でなくジュースが欲しかった,後者は同じリンゴでも黄色の王林でなく赤いリンゴが欲しかったから起こったものである。
 コミュニケーションをとることの難しい人の「のどが渇いた」,「おなかがすいた」,「暑い」などの生理的欲求を聞き出すことは非常に重要である。
 しかし,このような場合,最低限のコミュニケーションが確保できるとそれに満足する人が多い。
 そのため,コミュニケーションの選択肢を広げず,その結果,上述したようなコミュニケーションに誤解が生じる場合がある。

 また,その他にも,コミュニケーション手段が適切でない,支援者の思い込みが強すぎるなどの理由でも誤解が生じることがある。

 誤解がパニックを誘発したり,コミュニケーション意欲を低下させることもあり注意が必要である。

(つづく)

【引用終わり】



 本人が安定的だから、いつものだけでいいわけでない。
 パニックが生ずるような対応は避けながらも、少しずつでいいから、本人にとって選択幅が広がる対応はすべきである。
 支援者側の本人に対するきめ細かな配慮によって、本人も選択幅を広げることができる。
 それが成長を促すといっていい。

  (ケー)
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