調理活動を通して選択幅を広げる

 05, 2017 07:21
 今回取り上げる事例は、以前にも取り上げたものである。
 重心が通う事業所における調理活動を利用した行事企画だ。
 その行事企画において、家族を招待することを計画した。
 そこで、どんなメニューがいいか、障がいのある本人たちが選ぶ方策を工夫した。
 重度の本人たちが選べる工夫をしたのである。
 本人たちの選択を尊重する対応に苦心した事例である。

 本論文の紹介は第176回目である。 



【引用はじめ】

http://web.econ.keio.ac.jp/staff/nakanoy/article/self_determination/report02.html
第1部 障害のある人の自己決定・自己管理を引き出すためのマニュアル
     主任研究者 中邑賢龍(香川大学)
     分担研究者 中野泰志(慶應義塾大学)
              坂井聡(金沢大学大学院)
              岩根章夫(姫路市総合福祉通園センター)
              中澤惠江(国立特殊教育総合研究所)

自己決定・自己管理を引き出すためのマニュアル

6 コミュニケーションが広がらない

【事例】

T-18 体験により新しい選択肢を教える

 重症心身障害児(者)通園事業Eでは,毎年3月に「家族を招待する企画」を計画する。
 その企画の中核になっているのが,利用者の方が調理し(シンプルテクノロジーを使用し参加),家族に昼食をもてなす「ビストロE」である。

 この「ビストロE」で出すメニュー選びはとてもユニークで,1年がかりで,2段階に分けてその日に調理するメニューを決める。

 Eでは,年間を通じて「調理(クッキング)」が活動のメニューの1つになっている。
 そのクッキングのうち好評だったメニューの上位3つを選ぶ(第1段階)。
 その3つのメニューを2月の活動の中で再び調理し,その上で家族をもてなすメニューを決める(第2段階)。

 Eの利用者は重度な方が多く,言葉でのコミュニケーションはほとんどできない。
 それまでにも写真や絵カードを使ってきたが,一部の利用者を除いて選んでもらっているという実感が持ちにくかった。
 今のような方法に変えることによって,ことばや写真で選べる人はその方法で,難しい人はその時食べた様子を参考にメニューを決めることができるようになった。

 また年間のクッキングの中では,新しいメニューを少しずつ組み入れ,選択の幅を増やしている。

(つづく)

【引用終わり】



 調理という本人たちにとっても、興味関心が強い活動を通じて、新たなメニュー導入が選択肢を広げる。
 但し、本人たちの様子に即して少しずつメニューは増やしていく。
 本人たちの許容範囲を十分踏まえて対応することだ。
 本人たちに寄り添った活動を最優先しながら。 

  (ケー)
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