デジタルカメラの利用により本人の語彙を増やす

 30, 2017 05:00
 R男くんは、シンボルカードを提示することでコミュニケーションを行うようになっていた。
 それが以下に取り上げた事例である。
 単なる店のカードだけでは要求を満たすことができなかった。
 別の違う店に行きたかったのである。
 そのため、また1枚カードを増やして、本人の要求にそえるようにした。

 本論文の紹介は第170回目である。 



【引用はじめ】

http://web.econ.keio.ac.jp/staff/nakanoy/article/self_determination/report02.html
第1部 障害のある人の自己決定・自己管理を引き出すためのマニュアル
     主任研究者 中邑賢龍(香川大学)
     分担研究者 中野泰志(慶應義塾大学)
              坂井聡(金沢大学大学院)
              岩根章夫(姫路市総合福祉通園センター)
              中澤惠江(国立特殊教育総合研究所)

自己決定・自己管理を引き出すためのマニュアル

6 コミュニケーションが広がらない

【事例】

T-19 デジタルカメラの利用により本人の語彙を増やす

 本事例の対象は,知的障害養護学校中学部に在籍するR男である。
 写真やシンボルを使ったコミュニケーション用のボードを使った指導を行い,必要時にボードから要求などを表すシンボルカードを取って,母親や父親のところに見せにくるようになっていた。

 ある日,R男が,S店(いつもよく行くお店)のカードを取ってきたので,母親が写真のお店に一緒に行った。
 しかし,駐車場で大きなパニックを起こしてしまった。
 その日は車からも降りず,パニックになったまま帰宅した。
 母親は,今までこのようなことはなかったのに,どうしてパニックを起こしてしまったのか分からなかった。

 そこで,家から行くことが出来る他のS店の写真(デジタルカメラ)も用意することにした。
 その結果,自分が行きたいS店の写真を選択して母親のところにもってくるようになり,それまでのパニックがなくなった。
 つまり,S店といっても,R男には行きたいS店があったということであり,語彙が乏しかったために,行きたいお店を表現することが出来なかったのである。

 デジタルカメラの活用は,この場合乏しい語彙を補足するために活用出来るということである。

(つづく)

【引用終わり】



 R男くんがパニックを起こすなどの失敗を重ねながら、より良いコミュニケーションをつくりあげようとしている。
 できれば、R男くんとコミュニケーションギャップを起こさないような対応を工夫できればなおいい。
 でも、少しずつコミュニケーションの幅が広がっている。
 今後、期待できる事例といっていい。 
    
  (ケー)
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