適切な代替手段を提供することにより本人の意思伝達が可能になる

 18, 2017 05:00
 次に引用した事例は、脳性まひの障がいのあるCさんについてである。
 話し言葉はあるが、発音が不明瞭のため、相手とのコミュニケーションが難しい。
 本人自身も、うまく伝達できない場面だとあきらめてしまう。
 そういう状況をかかえている。
 それをどう解決したかが述べられている。

 本論文の紹介は第158回目である。 



【引用はじめ】

http://web.econ.keio.ac.jp/staff/nakanoy/article/self_determination/report02.html
第1部 障害のある人の自己決定・自己管理を引き出すためのマニュアル
     主任研究者 中邑賢龍(香川大学)
     分担研究者 中野泰志(慶應義塾大学)
              坂井聡(金沢大学大学院)
              岩根章夫(姫路市総合福祉通園センター)
              中澤惠江(国立特殊教育総合研究所)

自己決定・自己管理を引き出すためのマニュアル

5 勝手に行動する(自己管理出来ない)

5-3 尋ねたり援助を求めることが出来ないので直接行動で訴える

A-3 代替手段(ハイテク・コミュニケーションエイド)を提供する

T-10 適切な代替手段を提供することにより本人の意思伝達が可能になる

 対象は成人の脳性まひの女性cさん。
 毎日作業所に通っている。
 最近高齢の両親の元を離れ,独り暮らしの準備のため妹と2人で暮らし始めた。
 話し言葉はあるが非常に不明瞭で,かなり親しい人にしか伝わらないし,それでも何度も確認がいることから,cさんは「適当なところで諦める」ことにしていた。

 cさんは今まで特に代替コミュニケーション手段を使ったことがなかったが,独り暮らしを始めるにあたって必要かも知れないと思い,指導員とSTの所に相談に来た。
 文字の理解も十分にあるため,まずトーキングエイドを貸し出して試してみることにした。

 2週間程試してみて,cさんの感想は「時間がかかり過ぎる」だった。
 何か発言しようと思っても「一文字ずつ打っているうちに手遅れになってしまう」のだそうだ。
 結局は不明瞭な言葉で発言し,適当なところで諦めることが続いていたようだった。

 そこで,トーキングエイドの様な文字盤方式ではなく,一定のボタンに言葉をデジタル録音で割り当てられるVOCAを試してみることにした。
 cさんの知的な能力や今後の発展性を考えて,タッチパネルのVOCA「ダイナモ」を使ってみることにした。

 始めは作業所の会議などで使う言葉をcさんと指導員の方と相談しながら入れていった(「ちょっと待って」,「それでいいよ」,「私の意見も聞いて」等)。
 使用後のcさんの反応は上々で,現在他の場面でも使用しながら,購入を検討中である。

(つづく)

【引用終わり】



 うまくコミュケーションを図るために、代替手段を試みている。
 文字盤によるトーキングエイドを試みたが、時間がかかり過ぎて実用にならない。
 cさんは、文字理解もできているとはいえ、一文字ずつ打つのに時間がかかり過ぎる。
 脳性まひの障がいがあるので、手の動きもスムーズにはいかない。
 これでは実用性に欠ける。
 文字盤方式の代替手段から、タッチパネル式で音声が出力するVOCAに替えてみた。
 そうすると、便利なことを体感することができた。
 cさんには、より良いコミュケーション手段を見つけることができたようだ。
    
  (ケー)
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