意図を読み違えて失禁してしまった事例

 27, 2016 05:00
 今回取り上げる事例も、以前に紹介したことがある。
 自閉症のT男くんと、担任とのコミュニケーション・ギャップを記したものである。
 担任の思い込みが、T男くんの失禁をもたらしてしまった。
 このあたりの担任の判断も一概に責められない。
 こうした失敗は次に生かさなければならない。
 
 本論文の紹介は第136回目である。 



【引用はじめ】

http://web.econ.keio.ac.jp/staff/nakanoy/article/self_determination/report02.html
第1部 障害のある人の自己決定・自己管理を引き出すためのマニュアル
     主任研究者 中邑賢龍(香川大学)
     分担研究者 中野泰志(慶應義塾大学)
              坂井聡(金沢大学大学院)
              岩根章夫(姫路市総合福祉通園センター)
              中澤惠江(国立特殊教育総合研究所)

自己決定・自己管理を引き出すためのマニュアル

4 指示が通らない(コミュニケーション出来ない)

4-7 指示の仕方が悪い

【事例】

T-5 意図を読み違えることにより本人の発信意欲の低下を招く

 対象は小学部に在籍する知的障害と自閉症を併せもっているT男である。
 コミュニケーションするときには,手を取って引っ張っていくなど直接行動とクレーンが多かった。
 授業中,本児が後の扉から出て行こうとするので,教師は,朝行った大好きなトランポリンを思い出して,教室から出て行こうとしているのだと思い,「トランポリンは後で」と伝え,席に戻していた。
 これらのことを数回繰り返した後,T男はその場で失尿してしまった。

 教師は,T男の行動を,朝行ったトランポリンであると思い込んでいたために,T男が伝えたかった「トイレ」というメッセージを理解することが出来なかった例である。
 支援する側の思い込みが強すぎる場合,間違った意図を読み取ってしまい,本来の意図が支援者にうまく伝わらないことがあるのである。

(つづく)

【引用終わり】



 上記の事例において、T男くんの要求がクレーン等に限られているところに問題がある。
 担任にもわかりやすいコミュニケーション手段をT男くんに身につけることが望ましい。
 要求内容を絵カード等によって、相手に示せるようにするところから始めることだ。
 もっとも興味のあるトランポリンの絵カードを示したら、トランポリンすることができるようにする。
 また、トイレの絵カードを示すことで、トイレに行くようにするといったことである。
 絵カード提示とその行動を一致できるようにするには、T男くんはどれぐらいの回数と時間が必要か。
 提示するタイミング、絵カードの取り扱い方といったことも工夫することである。
 計画性ある学習プロセスがあって、身につけることもできる。
  
  (ケー)
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