「盆栽のけて」の指示で根っこから引き抜いた

 21, 2016 05:01
 下記の引用した事例は、指示理解を誤解したものである。
 支援者の「盆栽をのけて下さい」という指示で、Vさんは盆栽を根っこから抜いたのである。
 「盆栽をのけて」というのは、盆栽の鉢の下をきれいに掃除することを意味したつもりだった。
 支援者の指示内容とVさんの理解にギャップがあったということだ。
 相手が誤解しない言葉による指示が必要だった。
 しかし、支援者も無意識にこうした言葉を使っていることが多い。
 そのため、互いにいろんなすれ違いが生じている現実がある。
 このことを、支援者は意識しておくべきだ。
 Vさんが理解できる言葉での対応こそ重要である。
 
 本論文の紹介は第130回目である。 



【引用はじめ】

http://web.econ.keio.ac.jp/staff/nakanoy/article/self_determination/report02.html
第1部 障害のある人の自己決定・自己管理を引き出すためのマニュアル
     主任研究者 中邑賢龍(香川大学)
     分担研究者 中野泰志(慶應義塾大学)
              坂井聡(金沢大学大学院)
              岩根章夫(姫路市総合福祉通園センター)
              中澤惠江(国立特殊教育総合研究所)

自己決定・自己管理を引き出すためのマニュアル

4 指示が通らない(コミュニケーション出来ない)

4-7 指示の仕方が悪い

【事例】

T-24 相手が理解出来る言語の選択により情報を分かりやすく伝える

 対象は,知的障害をもつVさんである。
 職場実習での出来事である。
 事業所の玄関前の掃除を指導していたとき,職業指導を担当している支援者が,Vさんに「そこの盆栽をのけて下さい」と指示した。
 支援者は,盆栽を横にずらして植木鉢の下を掃除することを指導したかったわけであるが,Vさんは,その指示を聞いて盆栽を根から抜いてしまった。

 「のけて」ということばを取り違えてしまったのである。
 支援者が,理解することが出来るような方法でVさんに指示を出すことが出来たら,このような問題は起こらなかったものと考えられる。
 例えば「植木鉢を持ち上げて下さい」などの指示をすればよかったのかもしれない。
 理解する側の言語能力が何らかの形で制限されている場合,支援する側が分かるように指示するための工夫が必要であるという例である。

(つづく)

【引用終わり】



 支援者はVさんの言語レベルを把握しておくことが必要だ。
 いかに相手にそったコミュケーションを心がけているか。
 日常的な交流において、支援者側は努力することである。
  
  (ケー)
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