意図を読み違えることにより本人の発信意欲の低下を招く

 13, 2016 05:00
 今回の事例は、知的遅れを伴う自閉症児のT男くんである。
 小学部在籍の児童だ。
 音声によるコミュニケーションはできない。
 自分の要求は手を引っ張るとかクレーンによるものである。
 本事例は以前も取り上げた。
 本児と支援者のコミュニケーションギャップについて述べる。
 
 本論文の紹介は第122回目である。 



【引用はじめ】

http://web.econ.keio.ac.jp/staff/nakanoy/article/self_determination/report02.html
第1部 障害のある人の自己決定・自己管理を引き出すためのマニュアル
     主任研究者 中邑賢龍(香川大学)
     分担研究者 中野泰志(慶應義塾大学)
              坂井聡(金沢大学大学院)
              岩根章夫(姫路市総合福祉通園センター)
              中澤惠江(国立特殊教育総合研究所)

自己決定・自己管理を引き出すためのマニュアル

4 指示が通らない(コミュニケーション出来ない)

4-6 指示は理解出来ているが従いたくない

【事例】

T-5 意図を読み違えることにより本人の発信意欲の低下を招く

 対象は小学部に在籍する知的障害と自閉症を併せもっているT男である。
 コミュニケーションするときには,手を取って引っ張っていくなど直接行動とクレーンが多かった。
 授業中,本児が後の扉から出て行こうとするので,教師は,朝行った大好きなトランポリンを思い出して,教室から出て行こうとしているのだと思い,「トランポリンは後で」と伝え,席に戻していた。
 これらのことを数回繰り返した後,T男はその場で失尿してしまった。

 教師は,T男の行動を,朝行ったトランポリンであると思い込んでいたために,T男が伝えたかった「トイレ」というメッセージを理解することが出来なかった例である。
 支援する側の思い込みが強すぎる場合,間違った意図を読み取ってしまい,本来の意図が支援者にうまく伝わらないことがあるのである。

(つづく)

【引用終わり】



 T男君は、「トランポリンが好き」という思い込みで、支援者は対応してしまった。
 そのため、教室から出ようとする行動が、「トイレに行きたい」という要求に思い至らなかった。
 結局、失禁という最悪の結果をもたらした。
 支援者側の思い込みがこうした結果を招いた。
 T男君の様子を支援者は感じ取る必要があった。
 次は、失敗しない対応が求められる。
  
  (ケー)
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