指示を出すタイミングを図ることにより本人の反応を促す

 08, 2016 05:00
 以下の事例は、前にも取り上げている。
 今回はうまくタイミングをはかった対応によって、指示理解できるように努力した事例である。
 N男は地図を見るのに夢中になってしまって、動こうとしない。
 地図の最後のページを見た時に、次の活動を示すカードで促した。
 それによってうまく次の活動に移すことができた。
 ある程度の区切りでもって、適切な指示をすれば従うことができたのである。
 タイミングよく対応することは、とても重要だ。
  
 本論文の紹介は第117回目である。 



【引用はじめ】

http://web.econ.keio.ac.jp/staff/nakanoy/article/self_determination/report02.html
第1部 障害のある人の自己決定・自己管理を引き出すためのマニュアル
     主任研究者 中邑賢龍(香川大学)
     分担研究者 中野泰志(慶應義塾大学)
              坂井聡(金沢大学大学院)
              岩根章夫(姫路市総合福祉通園センター)
              中澤惠江(国立特殊教育総合研究所)

自己決定・自己管理を引き出すためのマニュアル

4 指示が通らない(コミュニケーション出来ない)

4-6 指示は理解出来ているが従いたくない

【事例】

T-26 指示を出すタイミングを図ることにより本人の反応を促す

 対象は広汎性発達障害をもつ小学校2年生のN男である。
 N男と買い物に行ったときのことである。
 N男は本棚のところで,地図を見つけそこに座り込んでしまった。
 買い物の最中に座り込んでしまったので,支援者は困ってしまった。
 次にすべきことをカードで示したり,声かけをしたりするのであるが,N男はいっこうに動こうとはしない。
 地図を手からとって本棚に返そうとしたら,大きな声を出して嫌がり,また最初のページから読み始めてしまう。
 何かに一生懸命になっているときには,なかなか指示は通らないものである。
 つまり,支援者があの手この手で見せているカードも,見なければ通じないのである。
 このようなときに考えなくてはならないのは,指示を出すタイミングである。
 本事例でうまくいったのは,最後のページまで地図をめくり終わったときにカードを見せるという方法であった。
 指示が通らないときには,繰り返し何度も指示を出し続けるのではなく,時間をあけてみたり,タイミングをはかったりすることが大切なのである。

(つづく)

【引用終わり】



 指示に従わず、支援者も困ってしまうことがある。
 へたに無理強いするとパニックになってしまうこともしばしばだ。
 そして、てこでも動かないことだって起きる。
 こうなると手が付けられない。
 支援者もある程度余裕ある指示が必要なのだ。
 この事例では地図の最後のページをめくるといったことに着目した。
 良い観点だった。
  
  (ケー)
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