相手が理解出来る言語の選択により情報を分かりやすく伝える

 28, 2016 05:00
 知的障がいのある人には、その人の言語能力に合った支援が必要である。
 「盆栽をのけて下さい」と指示したら、盆栽を根こそぎ抜いてしまったという。
 わざとしたわけでない。
 彼としては指示通りにしたつもりである。
 支援者側は盆栽の下を掃除してと頼んだつもりである。
 そこに誤解が生じた。
 こうしたことって起こり得る話だ。
 本人に合った言葉がけがいかに大事か示したエピソードである。

 本論文の紹介は第108回目である。 



【引用はじめ】

http://web.econ.keio.ac.jp/staff/nakanoy/article/self_determination/report02.html
第1部 障害のある人の自己決定・自己管理を引き出すためのマニュアル
     主任研究者 中邑賢龍(香川大学)
     分担研究者 中野泰志(慶應義塾大学)
              坂井聡(金沢大学大学院)
              岩根章夫(姫路市総合福祉通園センター)
              中澤惠江(国立特殊教育総合研究所)

自己決定・自己管理を引き出すためのマニュアル

4 指示が通らない(コミュニケーション出来ない)

4-4 指示が理解出来ない

【事例】

T-24 相手が理解出来る言語の選択により情報を分かりやすく伝える

 対象は,知的障害をもつVさんである。
 職場実習での出来事である。
 事業所の玄関前の掃除を指導していたとき,職業指導を担当している支援者が,Vさんに「そこの盆栽をのけて下さい」と指示した。
 支援者は,盆栽を横にずらして植木鉢の下を掃除することを指導したかったわけであるが,Vさんは,その指示を聞いて盆栽を根から抜いてしまった。

 「のけて」ということばを取り違えてしまったのである。
 支援者が,理解することが出来るような方法でVさんに指示を出すことが出来たら,このような問題は起こらなかったものと考えられる。
 例えば「植木鉢を持ち上げて下さい」などの指示をすればよかったのかもしれない。
 理解する側の言語能力が何らかの形で制限されている場合,支援する側が分かるように指示するための工夫が必要であるという例である。

(つづく)

【引用終わり】



 本人が理解できる具体的な指示がいかに大事か。
 支援者は自分たちの常識で対応しがちだ。
 本人が混乱しない言葉がけを常に心がけることである。
  
  (ケー)
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