適切な提示により本人が選択肢を理解する

 24, 2016 05:00
 音声言語の理解が困難な自閉症児にどのような対応を行ったか。
 以下は、反響言語(エコラリア)で応えるXさんの事例である。
 2者選択の場面では、後半部を繰り返すだけだ。
 自らの意思で選択しているのでなく、音声語を反射的に繰り返しているだけ。
 以下の事例は、自ら選択できる手立ての支援について、述べたものである。
 
 本論文の紹介は第104回目である。 



【引用はじめ】

http://web.econ.keio.ac.jp/staff/nakanoy/article/self_determination/report02.html
第1部 障害のある人の自己決定・自己管理を引き出すためのマニュアル
     主任研究者 中邑賢龍(香川大学)
     分担研究者 中野泰志(慶應義塾大学)
              坂井聡(金沢大学大学院)
              岩根章夫(姫路市総合福祉通園センター)
              中澤惠江(国立特殊教育総合研究所)

自己決定・自己管理を引き出すためのマニュアル

4 指示が通らない(コミュニケーション出来ない)

4-4 指示が理解出来ない

【事例】

T-20 適切な提示により本人が選択肢を理解する

 対象は養護学校の小学部2年生の自閉症をもつXさんである。
 Xさんは,音声で伝えられたことを理解して行動することは出来なかった。
 例えば,選択をする際に音声で「牛乳にする。お茶にする」というと「お茶にする」と答え,「お茶にする。牛乳にする」と問うと「牛乳にする」と答えるのである。
 つまり,後のほうのことばを反響言語で応えるのである。

 最初は,音声で理解することが出来ていると思っていた担任の先生は,音声で選択する機会をもつようにしていたのであるが,上記のように反響言語であることに気がつき,選択の方法を変えた。
 ホワイトボードにラミネートされた磁石をつけたシンボルを貼り,それを使って選択することが出来るようにしたのである。
 2種類からはじめ,現在では10種類くらいある中から自分がしたいことを選んで持ってくることが出来るようになっている。
 選択肢を提示する際に,その人に理解することが出来るような形で提示する必要があるという例である。

(つづく)

【引用終わり】



 選択する場面では、シンボルを提示するようにしたら、10種類のものから選択できるようになった。
 初めは、2種類から始めてだんだんと増やすようにした結果である。
 本児の実態に即して、スモールステップで取り組んだ。
 視覚情報を使って、大きな成果を得ることができた。
  
  (ケー)
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