タイムエイドの利用により本人が時間に見通しをもつ

 21, 2016 05:00
 下記の引用した事例は、指示通りに動かないO男に対する支援法である。
 公園遊びを終わらすことに手を焼いていた。
 カード提示は有効でなかった。
 その提示によって帰るといった指示に従わず、大暴れした。
 支援者もほとほと困っていた。
 しかし、タイムエイドの提示でいつまでなら遊んでいてよいことが理解できるようになった。
 そのお蔭で、指示に従うことができたのである。
 こうしたケースにはタイムエイドの導入が効果があるようだ。
 
 本論文の紹介は第101回目である。 



【引用はじめ】

http://web.econ.keio.ac.jp/staff/nakanoy/article/self_determination/report02.html
第1部 障害のある人の自己決定・自己管理を引き出すためのマニュアル
     主任研究者 中邑賢龍(香川大学)
     分担研究者 中野泰志(慶應義塾大学)
              坂井聡(金沢大学大学院)
              岩根章夫(姫路市総合福祉通園センター)
              中澤惠江(国立特殊教育総合研究所)

自己決定・自己管理を引き出すためのマニュアル

4 指示が通らない(コミュニケーション出来ない)

4-3 注意が向いていない

【事例】

T-26 タイムエイドの利用により本人が時間に見通しをもつ

 指示に従うことが出来ないのは,指示を理解することが出来ない場合のみではない。
 指示を理解することが出来たとしても,従いたくないというときもあるのである。

 この事例の対象児は小学校3年生の知的障害をもっているO男である。
 公園に遊びに行ったときには,支援者が「時間だから帰ろう」と声をかけても帰ることが出来ない。
 本人は遊びをやめることが出来ないのである。
 どうしても帰らなくてはならないときには,手を引っ張って半ば強引につれて帰らなくてはならないため,O男は大きな声を出して「いやだいやだ」と言いながら泣いてしまう。

 ときには支援者の手を引っかいたりすることもあり,支援者としてはなんとか帰ることを理解してもらうために,「もう遅いから」と声をかけながら,車のカードを見せたり,お母さんのカードを見せたりして本人を動かそうとするが,なかなかうまくいかない。
 O男は,写真カードやシンボルの理解はできているので,帰るために声をかけられていることは分かっているが,その指示には従いたくないのである。
 このようなときには,タイムエイドやキッチンタイマーなどが役に立つ。
「じゃあ後これだけ」と言ってタイマーをセットして,それだけは遊んでいいことを伝えればいいのである。
 O男はタイムエイドを見ながら減っていく時間に見通しをもって遊ぶことが出来るようになり,タイムエイドがなったときには支援者といっしょに公園を後にすることが出来た。

 指示が理解出来ていても従いたくないと思うときがある。
 そんなときには,タイムエイドなどでそれをしてもよい時間だけセットして,伝えることが有効な場合がある。

(つづく)

【引用終わり】



 時間の見通しがわかるようにすることは、重要な視点である。
 いろんな場面において有効な手段であることがわかる。
  
  (ケー)
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