相手が理解出来る言語の選択により情報を分かりやすく伝える

 27, 2016 05:00
 言語理解が不十分な事例の場合、誤解が生ずる。
 その結果、問題を起こす。
 このようなことが生じないための言葉による働きかけを工夫する必要がある。
 以下に引用した事例は、具体的で明確な言葉がけが大事なことを示唆している。
  
 本論文の紹介は第76回目である。 



【引用はじめ】

http://web.econ.keio.ac.jp/staff/nakanoy/article/self_determination/report02.html
第1部 障害のある人の自己決定・自己管理を引き出すためのマニュアル
     主任研究者 中邑賢龍(香川大学)
     分担研究者 中野泰志(慶應義塾大学)
              坂井聡(金沢大学大学院)
              岩根章夫(姫路市総合福祉通園センター)
              中澤惠江(国立特殊教育総合研究所)

自己決定・自己管理を引き出すためのマニュアル

3 コミュニケーション出来るが自分で決められない(自己決定出来ない)

3-3 選択肢を理解できない

 知っているものでもその情報の形が違うと分からないことがある。
 例えば牛乳パックを見て理解できても,「ぎゅうにゅう」と言われると理解できない人がいる。
 また,個々の選択肢を知っていたとしても,それについて情報があまりに多いとどうしていいか分からなくなることがある。

C-1 情報を分かりやすくする(情報をアクセシブルにする)

【事例】

T-24 相手が理解出来る言語の選択により情報を分かりやすく伝える

 対象は,知的障害をもつVさんである。
 職場実習での出来事である。
 事業所の玄関前の掃除を指導していたとき,職業指導を担当している支援者が,Vさんに「そこの盆栽をのけて下さい」と指示した。 支援者は,盆栽を横にずらして植木鉢の下を掃除することを指導したかったわけであるが,Vさんは,その指示を聞いて盆栽を根から抜いてしまった。

 「のけて」ということばを取り違えてしまったのである。
 支援者が,理解することが出来るような方法でVさんに指示を出すことが出来たら,このような問題は起こらなかったものと考えられる。
 例えば「植木鉢を持ち上げて下さい」などの指示をすればよかったのかもしれない。
 理解する側の言語能力が何らかの形で制限されている場合,支援する側が分かるように指示するための工夫が必要であるという例である。

(つづく)

【引用終わり】



 上記のVさんは、支援者の言葉をストレートに理解してしまう。
 常識的には、ありえないことをしてしまった。
 盆栽を根こそぎ抜いてしまうことって普通はやらないことである。
 その常識といわれることがわからない。
 言葉そのものだけで行動してしまう。
 そんなことしてダメなんじゃないかといった思いにいたらない。
 そしたら、支援者に対していいかどうか質問すればいいのだが、それが難しい。
 支援者は何をすべきか、具体的な言葉で指示することだ。
 Vさんが誤解しない言葉遣いをすることである。
  
  (ケー)
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