写真の利用により本人が指示を理解する

 25, 2016 05:00
 音声言語による指示だけでは理解できない障がいのある子の支援が、以下の事例である。
 知的障がいを伴う自閉症のJ児に、写真を用いて片づけてからホットケーキという順番を理解させることができた。
 このケースは、音声言語指示が十分理解することができていない。
 しかし、写真の視覚情報は理解できている。
 そうした実態をふまえた支援である。
  
 本論文の紹介は第74回目である。 



【引用はじめ】

http://web.econ.keio.ac.jp/staff/nakanoy/article/self_determination/report02.html
第1部 障害のある人の自己決定・自己管理を引き出すためのマニュアル
     主任研究者 中邑賢龍(香川大学)
     分担研究者 中野泰志(慶應義塾大学)
              坂井聡(金沢大学大学院)
              岩根章夫(姫路市総合福祉通園センター)
              中澤惠江(国立特殊教育総合研究所)

自己決定・自己管理を引き出すためのマニュアル

3 コミュニケーション出来るが自分で決められない(自己決定出来ない)

3-3 選択肢を理解できない

 知っているものでもその情報の形が違うと分からないことがある。
 例えば牛乳パックを見て理解できても,「ぎゅうにゅう」と言われると理解できない人がいる。
 また,個々の選択肢を知っていたとしても,それについて情報があまりに多いとどうしていいか分からなくなることがある。

C-1 情報を分かりやすくする(情報をアクセシブルにする)

【事例】

T-22 写真の利用により本人が指示を理解する

 対象は,自閉症と知的障害をもつ5歳の男の子J児である。
 プレイルームで遊んでいたが,ホットケーキを作る活動をすることになっていた。
 支援者は,片付けて準備をするように促すが,遊び道具を片付けることが出来ない。
 それは,指示を理解しているが片付けないというのではなく,指示されたことが理解出来ないために片付けられないようであった。
 このようなときに,音声だけで伝えていても理解出来ない場合が多い。
 そこで,片づけを示す写真と,次の活動を示すホットケーキの写真を用意し,ホワイトボードをJ児の前にもってきて,「片付けるよ」と言って写真を貼り,「片付けたら,次はホットケーキだよ」と言ってその写真の下にホットケーキの写真を貼った。
 すると,今からすべきことと次の活動を理解することが出来たJ児は,うなづいて今遊んでいた電車のおもちゃを片付けることが出来た。

(つづく)

【引用終わり】



 本児にとって、おもちゃ遊びもホットケーキ作りもかなり欲求度の高い活動である。
 そこにおもちゃ片付けという活動という指示を入り込んだ。
 「かたづけて」といった音声による言語指示では理解できない。
 写真という視覚情報を提示して、本児にはその指示を理解できるようにした。
 聴覚より視覚優位の子に対する支援のあり方が上記の事例である。
   
  (ケー)
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