デジタルカメラの利用により本人の語彙を増やす

 20, 2016 05:00
 障がいの重い子にとって、思いどおりの要求を伝達することが難しい。
 そのため、親や周囲とのコミュニケーションに齟齬をきたすことがしばしばである。
 以下の事例も、S店に行きたいということで車で連れて行った。
 しかし、本児はS店は家から歩いて行けるS店だった。
 S店はS店でも、S店違いであった。
 こうしたすれ違いをできるだけ少なくしようとする工夫が下記において述べられてある。
  
 本論文の紹介は第69回目である。 



【引用はじめ】

http://web.econ.keio.ac.jp/staff/nakanoy/article/self_determination/report02.html
第1部 障害のある人の自己決定・自己管理を引き出すためのマニュアル
     主任研究者 中邑賢龍(香川大学)
     分担研究者 中野泰志(慶應義塾大学)
              坂井聡(金沢大学大学院)
              岩根章夫(姫路市総合福祉通園センター)
              中澤惠江(国立特殊教育総合研究所)

自己決定・自己管理を引き出すためのマニュアル

3 コミュニケーション出来るが自分で決められない(自己決定出来ない)

3-1 選択経験が無い

A-5 選択の技法

T-19 デジタルカメラの利用により本人の語彙を増やす

 本事例の対象は,知的障害養護学校中学部に在籍するR男である。
 写真やシンボルを使ったコミュニケーション用のボードを使った指導を行い,必要時にボードから要求などを表すシンボルカードを取って,母親や父親のところに見せにくるようになっていた。

 ある日,R男が,S店(いつもよく行くお店)のカードを取ってきたので,母親が写真のお店に一緒に行った。
 しかし,駐車場で大きなパニックを起こしてしまった。
 その日は車からも降りず,パニックになったまま帰宅した。
 母親は,今までこのようなことはなかったのに,どうしてパニックを起こしてしまったのか分からなかった。

 そこで,家から行くことが出来る他のS店の写真(デジタルカメラ)も用意することにした。
 その結果,自分が行きたいS店の写真を選択して母親のところにもってくるようになり,それまでのパニックがなくなった。
 つまり,S店といっても,R男には行きたいS店があったということであり,語彙が乏しかったために,行きたいお店を表現することが出来なかったのである。

 デジタルカメラの活用は,この場合乏しい語彙を補足するために活用出来るということである。

(つづく)

【引用終わり】



 デジタルカメラの映像によって、R男はどこの店か判断できるまで成長している。
 それをうまく活用した。
 コミュニケーションもどんどん拡大していくと予想される。
 スムーズな互いの関係が成り立つことで、問題が生ずることも減っていくはずだ。
  
  (ケー)
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