体験により新しい選択肢を教える

 19, 2016 05:00
 重度心身障害児(者)通園事業で実施した調理メニューの選択は以下の引用のとおり。
 「家族を招待する」ために、1年間かけての計画である。
 どんなに障害が重くてもなんらかの形で参加できる対応をしている。
  
 本論文の紹介は第68回目である。 



【引用はじめ】

http://web.econ.keio.ac.jp/staff/nakanoy/article/self_determination/report02.html
第1部 障害のある人の自己決定・自己管理を引き出すためのマニュアル
     主任研究者 中邑賢龍(香川大学)
     分担研究者 中野泰志(慶應義塾大学)
              坂井聡(金沢大学大学院)
              岩根章夫(姫路市総合福祉通園センター)
              中澤惠江(国立特殊教育総合研究所)

自己決定・自己管理を引き出すためのマニュアル

3 コミュニケーション出来るが自分で決められない(自己決定出来ない)

3-1 選択経験が無い

A-5 選択の技法

T-18 体験により新しい選択肢を教える

 重症心身障害児(者)通園事業Eでは,毎年3月に「家族を招待する企画」を計画する。
 その企画の中核になっているのが,利用者の方が調理し(シンプルテクノロジーを使用し参加),家族に昼食をもてなす「ビストロE」である。

 この「ビストロE」で出すメニュー選びはとてもユニークで,1年がかりで,2段階に分けてその日に調理するメニューを決める。

 Eでは,年間を通じて「調理(クッキング)」が活動のメニューの1つになっている。
 そのクッキングのうち好評だったメニューの上位3つを選ぶ(第1段階)。
 その3つのメニューを2月の活動の中で再び調理し,その上で家族をもてなすメニューを決める(第2段階)。

 Eの利用者は重度な方が多く,言葉でのコミュニケーションはほとんどできない。
 それまでにも写真や絵カードを使ってきたが,一部の利用者を除いて選んでもらっているという実感が持ちにくかった。
 今のような方法に変えることによって,ことばや写真で選べる人はその方法で,難しい人はその時食べた様子を参考にメニューを決めることができるようになった。

 また年間のクッキングの中では,新しいメニューを少しずつ組み入れ,選択の幅を増やしている。

(つづく)

【引用終わり】



 以上は、言葉によるコミュニケーションができない人たちへの調理メニューを選択する支援のあり方である。
 写真や絵カードを使っても、選択できない人もいる。
 実際、食べてもらってその様子からそのメニューの良しあしを判断するようにした。
 今までのメニューの中でも好評だったもの3つから選択した。
 段階的にメニューをしぼりこんで選択できるようにしたのである。
 障がいのある人たちの実態に即した支援がなされたといえる。
  
  (ケー)
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