選択経験をつくることにより発信方法を教える

 18, 2016 05:00
 音声言語が未発達な障がい児にとって、伝達手段が不十分なためいろんな場面でトラブルを起こしている。
 以下の事例はその一つである。
 トイレ行ってからプレイルームに行く。
 写真カードを提示すると、障がい児の要求がプレイルームに行きたいということが保育士側には伝わった。
 なんらかの形でトラブルを引き起こすのは、自分の要求が伝わってないことが多い。
 そこを保育士等が理解する必要がある。
  
 本論文の紹介は第67回目である。 



【引用はじめ】

http://web.econ.keio.ac.jp/staff/nakanoy/article/self_determination/report02.html
第1部 障害のある人の自己決定・自己管理を引き出すためのマニュアル
     主任研究者 中邑賢龍(香川大学)
     分担研究者 中野泰志(慶應義塾大学)
              坂井聡(金沢大学大学院)
              岩根章夫(姫路市総合福祉通園センター)
              中澤惠江(国立特殊教育総合研究所)

自己決定・自己管理を引き出すためのマニュアル

3 コミュニケーション出来るが自分で決められない(自己決定出来ない)

3-1 選択経験が無い

A-5 選択の技法

T-17 選択経験をつくることにより発信方法を教える

 対象は,5歳の知的障害をもっている男の子G男である。
 食事の後どこかへ行こうとしているG男を保育士が呼び止め,トイレに行くように伝えたが,トイレの前で寝転んで大きな声で泣きながら手足をばたばたさせている。
 保育士はトイレに行かないG男にいろいろ声かけをしているがいっこうにその様子は改善されない。
 このような状況は,本児が何かを訴えている様子であると考えられる。
 保育士は,教室からホワイトボードを持ってきた。
 そこには日頃から使っているシンボルなどが貼られている。
 G男はプレイルームの写真を手にとって,それを保育士に渡した。
 つまり,泣いていた原因は,プレイルームに行きたいということだったのである。
 保育士はそれを理解し,トイレのカードとプレイルームのカードをホワイトボードに貼り,トイレに行ってからプレイルームにと伝えたところ,G男はそれを理解して,トイレにさっと行き,その後プレイルームに向かって走っていった。

 つまり,プレイルームに行きたいのにということをG男は伝えたかったのであるが,それを伝えるための手段を持っていないために,大きな声で泣いてしまっていたということである。
 音声で伝えることに困難をもっているG男のような子どもの場合,このようなことはいろいろな場面で起こっているものと考えられる。

(つづく)

【引用終わり】



 上記の例は、写真を利用した伝達手段である。
 この子の場合は、トイレ、プレイルームを写真で判断できる。
 また、トイレしてから、プレイルームといった前後の関係も理解できる。
 こうしたところまで段階的に学習してきたのだろう。
 ここまで達しているとしたら、カード理解を増やすことだ。
 さらに、自らの要求をカードでできる機会を増やすことである。
  
  (ケー)
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