選択とコミュニケーション

 14, 2016 05:00
 ここでは、自己決定と選択は同義語ととらえている。
 さらに、ここにおいては選択することと、コミュニケーションすることは異なるものとしている。
 いくら言葉によるコミュニケーションが可能であっても、選択できない人がいる。
 また、逆に選択はできても言葉によるコミュニケーションができない人がいる。
 特に、こうした人の場合は、勝手なふるまいをしていると周囲からみなされてしまう。
 勝手なふるまいと誤解されないコミュニケーションのあり方を身につけさせる必要がある。
 そのような内容が以下に紹介されている。
  
 本論文の紹介は第63回目である。 



【引用はじめ】

http://web.econ.keio.ac.jp/staff/nakanoy/article/self_determination/report02.html
第1部 障害のある人の自己決定・自己管理を引き出すためのマニュアル
     主任研究者 中邑賢龍(香川大学)
     分担研究者 中野泰志(慶應義塾大学)
              坂井聡(金沢大学大学院)
              岩根章夫(姫路市総合福祉通園センター)
              中澤惠江(国立特殊教育総合研究所)

自己決定・自己管理を引き出すためのマニュアル

3 コミュニケーション出来るが自分で決められない(自己決定出来ない)

3-1 選択経験が無い

A-5 選択の技法

A-5-1 選択からコミュニケーション

 自己決定(選択)することとコミュニケーションすることは同じように思えるが,以下の例を見ると2つの行為は別のものであると考えられる。

 A君は,会話には不自由しないが,「何を食べたい?」と聞かれると「分からないから決めて」と答える。

 B君は,音声会話はできないが,勝手に他人のものを奪い取って食べてしまう。

 この場合,A君はコミュニケーション出来るが自己決定出来ない,B君は,自己決定出来るが,コミュニケーション出来ないと考えられる。
 つまり,自己決定(選択)とコミュニケーションは別のものであることが分かる。

 我々は日常生活の中で多くの物事について選択をし,必要に応じて相手にそれを伝えている。
 コミュニケーション行動の中には選択した結果を相手に伝える行為が多く含まれているが,B君のように直接行動で訴えると誤解を招くことが多い。
 しかし,直接訴える手段を誰にでも分かる手段に置き換えて行えれば,それがコミュニケーション手段となっていくと考えられる。
 B君が指差して要求を伝えるだけでも周りの人の態度は大きく変わると考えられる。
 B君の場合,選択肢を目の前に提示すると直接手を延ばして意思表示できるが,これでは誰もが了解できるコミュニケーション手段になりにくい。
 そこで,選択肢を彼の手の届かない所に提示してみると,指差しで我々にそれを取ってくれという要求を誘導出来るかもしれない。
 このように選択を介してコミュニケーションを生み出して行くことが可能である。

(つづく)

【引用終わり】



 以上のように、言葉の習得がなされていない障がいのある人に、それに代わるコミュケーション手段を身につけさせたい。
 指差しができるようになるだけでも周囲との関係は、違ってくる。
 本人の要求が周りの人たちにとって多少理解できるようになる。
 本人と周囲の人たちの関係もより良いものになってくる。
  
  (ケー)
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