意図を読み違えることの問題

 03, 2016 05:00
 支援者側の思い込みが、障がい児とのコミュニケーションギャップを生み出す。
 その例が以下の引用である。
 障がい児に失禁させてしまった。
 支援者は障がい児のT男くんがトランポリンに行こうとしていると勝手に思い込んでいたせいである。
 
 本論文の紹介は第52回目である。 



【引用はじめ】

http://web.econ.keio.ac.jp/staff/nakanoy/article/self_determination/report02.html
第1部 障害のある人の自己決定・自己管理を引き出すためのマニュアル
     主任研究者 中邑賢龍(香川大学)
     分担研究者 中野泰志(慶應義塾大学)
              坂井聡(金沢大学大学院)
              岩根章夫(姫路市総合福祉通園センター)
              中澤惠江(国立特殊教育総合研究所)

自己決定・自己管理を引き出すためのマニュアル

2-1 発信行動に受信者が勝手に意味づけようとしている

B-6 受信者の関わりを改善する(先読みを防ぐ,反応を待つなど)

T-5 意図を読み違えることにより本人の発信意欲の低下を招く

 対象は小学部に在籍する知的障害と自閉症を併せもっているT男である。
 コミュニケーションするときには,手を取って引っ張っていくなど直接行動とクレーンが多かった。
 授業中,本児が後の扉から出て行こうとするので,教師は,朝行った大好きなトランポリンを思い出して,教室から出て行こうとしているのだと思い,「トランポリンは後で」と伝え,席に戻していた。
 これらのことを数回繰り返した後,T男はその場で失尿してしまった。

 教師は,T男の行動を,朝行ったトランポリンであると思い込んでいたために,T男が伝えたかった「トイレ」というメッセージを理解することが出来なかった例である。
 支援する側の思い込みが強すぎる場合,間違った意図を読み取ってしまい,本来の意図が支援者にうまく伝わらないことがあるのである。

(つづく)

【引用終わり】



 上記の例は、直接行動に訴えることができる。
 T男くんは、トイレに行くことも手を引っ張ることなどによって訴えるだろう。
 支援者はその訴えが「トランポリン」の要求だと思い込んでいた。
 1度はその要求がなにか試みる必要があった。
 そうすれば、トイレかトランポリンかわかったはず。
 支援者の思い込みが失敗につながった。
 ただ、トランポリンの要求が果たせなかったので、わざと失禁したという解釈もあり得る。
 こうした問題も生じかねないので、T男くんの発信手段をわかりやすくしたい。
 絵カードや身振りなどによるコミュニケーションを形成できるだろう。
  
  (ケー)
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