おもちゃ遊びで関係づくり

 01, 2016 05:00
 6歳になったAさんは、さまざまな障がいがあり、自発的な反応を見出しにくい。
 唯一、腕を動かしているぐらい。
 それをなんとか手がかりにして、関係づくりしたのが以下の事例だ。
 腕を動かすとスイッチが連動する。
 それによって、おもちゃが動く。
 腕を動かす回数が増えた。
 Aさんは、腕の動きとおもちゃの動きがつながっていると気づいたのだろうか。

 本論文の紹介は第50回目である。 



【引用はじめ】

http://web.econ.keio.ac.jp/staff/nakanoy/article/self_determination/report02.html
第1部 障害のある人の自己決定・自己管理を引き出すためのマニュアル
     主任研究者 中邑賢龍(香川大学)
     分担研究者 中野泰志(慶應義塾大学)
              坂井聡(金沢大学大学院)
              岩根章夫(姫路市総合福祉通園センター)
              中澤惠江(国立特殊教育総合研究所)

自己決定・自己管理を引き出すためのマニュアル

2-1 発信行動に受信者が勝手に意味づけようとしている

B-6 受信者の関わりを改善する(先読みを防ぐ,反応を待つなど)

T-1 おもちゃ遊びにより因果関係を成立させる

 Aさんは6歳。
 脳性まひのために重度の四肢麻痺と言語障害,また知的な発達の遅れもあり,発達年齢は6ヶ月未満だった。
 反応も乏しく,時々,腕を意味も無く動かす程度だった。
 そこで,彼の腕の動きをスイッチで取り出し,おもちゃを動かすようにしてみた。
 すると,腕を動かしながらおもちゃの動きを不思議そうにみるAさんが観察された。
 スイッチをつなぐと明らかに腕を動かす回数が増えてきており,因果関係に気づいたのではないかと思われる。

(つづく)

【引用終わり】



 重度障がいのある子どもとの関係づくりは、とても困難である。
 上記の例のように腕の動きに注目した。
 それもわずかな腕の動きにしか過ぎなかったはず。
 腕が動くとスイッチが作動。
 そして、おもちゃを動くようにした。
 そのしかけにAさんが気付いた。
 ほとんど関係づくりが困難と思われた子に対する手がかりを見出すことができたのである。
 Aさんにとっても、支援者にとっても大きな成果と言っていい。
 これを喜ばずに、いつ喜ぶか。
 こうしたごくささいな変化に着目することこそ重要なのだ。
  
  (ケー)
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