発信行動に受信者が勝手に意味づけようとしている

 29, 2016 05:05
 発信と受信の関係づくりがあってこそのコミュニケーションである。
 発信者の思いが受信者に十分伝わらないことは往々にしてある話だ。
 発信者の身振り・ことば等が不明瞭だったりする。
 それに対して、受信者はさまざま試みて、発信者の意図を探る必要がある。
 発信者の要求に的確に応えられるようにする。
 簡単にはできないことも多い。
 受信者が満足できたとしたら成功である。 

 本論文の紹介は第48回目である。 



【引用はじめ】

http://web.econ.keio.ac.jp/staff/nakanoy/article/self_determination/report02.html
第1部 障害のある人の自己決定・自己管理を引き出すためのマニュアル
     主任研究者 中邑賢龍(香川大学)
     分担研究者 中野泰志(慶應義塾大学)
              坂井聡(金沢大学大学院)
              岩根章夫(姫路市総合福祉通園センター)
              中澤惠江(国立特殊教育総合研究所)

自己決定・自己管理を引き出すためのマニュアル

2-1 発信行動に受信者が勝手に意味づけようとしている

 発信があるが,意味が分からない場合,受信者は周囲の状況から様々な意味づけをその発信に与えようとする。
 例えば,のどから搾り出すように「あー」と声を出せば,「水が欲しいの?」と多くの介助者が考え,水を飲ませる。
 しかし,本当は「ジュース」を飲みたかったのかもしれない。
 このように,障害があり,コミュニケーションに制約を受けると「飲み物は何でも同じで,とにかく飲ませることが重要」といった具合に選択肢が制限されることになる。
 これでは当事者の意思を正しく引き出したとは言えない。

 また,受信者の能力が高ければ発信者の信号が不明でもコミュニケーションを作り上げることが出来る。
 これは長期的にみれば問題があると考えられる。
 しかし,すべてが悪いとは言い切れない。
 コミュニケーションの楽しさを味わってもらい,外界への働きかけを強めるという点では意味がある。
 時期に応じてバランスよくこの2つのコミュニケーションのスタイルを使い分けることが大切である。

(つづく)

【引用終わり】



 発信者がどんな時に、どんな行動をしたか。
 受信者はそれに対してどんな対応をしたか。
 それによって、発信者はどんな反応だったか。
 ていねいに観察し、記録することだ。
 そうした積み重ねから、発信者の意図を明確にしていく地道な取り組みが重要である。
  
  (ケー)
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