まぶしくて目を閉じている重度障がいのある人に対するアプローチ

 21, 2016 05:00
 以下の事例は、まぶしくて目を閉じてばかりいる重度障がい者への対応である。
 なぜ、目を閉じてばかりいるか。
 単なる眠りとは違うのでないかという、支援者の気づきから始まっている。
 直接照明がまぶしくて目をあけているのが不快なためではないかとの仮説によって試してみた。
 直接照明の蛍光灯にカバー付けて間接照明にしてみたのである。
 そうすると、目をあけるようになった。
 こうした事がなければコミュニケーションの手がかりも得られないままであっただろう。  

 本論文の紹介は第40回目である。 



【引用はじめ】

http://web.econ.keio.ac.jp/staff/nakanoy/article/self_determination/report02.html
第1部 障害のある人の自己決定・自己管理を引き出すためのマニュアル
     主任研究者 中邑賢龍(香川大学)
     分担研究者 中野泰志(慶應義塾大学)
              坂井聡(金沢大学大学院)
              岩根章夫(姫路市総合福祉通園センター)
              中澤惠江(国立特殊教育総合研究所)

自己決定・自己管理を引き出すためのマニュアル

1-5 環境条件が悪い

<環境整備の必要性> いつも眠っているgさんのエピソード

•エピソード:
 重度の肢体不自由であるgさんは、多くの時間を仰臥位姿勢で過ごしている。
 活動をする昼間は、ほとんど目を閉じて眠っていることが多い。
 そのため、自己決定をする場面はほとんどない。
 障害が重いので仕方がないのであろうか?

•ほんとうに眠っているのか?:
 gさんは本当に眠っているのであろうか?
 gさんの視環境をもう一度確認してみると、仰臥位姿勢でいるgさんの視線の先には天井の蛍光灯があった。
 しかも、間接照明ではなく、蛍光灯が剥き出しの直接照明であった。
 これでは、まぶしくて目を閉じたくなるのは当然である。
 さらに、視覚障害のある人の中には、目の状態に応じてまぶしさを感じやすい人もいる。
 まぶしさを感じやすい視覚障害の人にとって、蛍光灯の直接照明は目を開けていられないほど不快であるが、コミュニケーションにも障害があるとそれをうまく表現することが出来ない。
 そのため、支援者が注意する必要がある。

•照明の工夫:
 gさんの場合、蛍光灯にカバーをつけ、間接照明にして、照明を暗くしたところ、目を開けていられるようになった。
 その結果、gさんは、眠っていたのではなく、蛍光灯がまぶしかったことが確認できた。

•屋外での活動への応用:
 蛍光灯がまぶしいのであれば、屋外はさらにまぶしいはずである。
 注意してみるとgさんは屋外の散歩の際にも、やはり目を閉じている。
 そこで、サングラスを試してみた。
 その結果、サングラスをかけると屋外でも目を開けていられるようになることが分かった。

(つづく)

【引用終わり】



 gさんは、外出時も目を閉じたままであった。
 外の光がまぶしいはずと考えてサングラスを使ったら、目を開けるようになった。
 屋内の照明でさえまぶしかったのだから、当然屋外のあかりはさらにまぶしかったのである。
 そうしたことによって、gさんとのかかわりがよりスムーズになるはず。
 まぶしいから目をあけることができないと気づくまで結構な時間を要しているのでないか。
 なんで、日中も目を閉じて眠っているのかなあと単純に思ってしまえばそのままにしてしまいがち。
 どうしてだろうと疑問を持ったからこそ、まぶしさが原因と気づくことができたのだ。
 
  (ケー)
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