微弱な発信に対して適切な反応をするには

 19, 2016 05:00
 障がいの重い人の微弱な反応をいかにとらえるか。
 介助者にとってそれが大きな課題である。
 介助者の働きかけが、重度の障がい者にどのような反応となるか。
 それが介助者側にはなかなかとらえにくい。
 それを適切にとらえることができれば、介助者と障がい者の関係をつくることができるようになる。
 こうした困難な課題に対する試みが以下のとおりである。

 本論文の紹介は第7回目である。 



【引用はじめ】

http://web.econ.keio.ac.jp/staff/nakanoy/article/self_determination/report02.html
第1部 障害のある人の自己決定・自己管理を引き出すためのマニュアル
     主任研究者 中邑賢龍(香川大学)
     分担研究者 中野泰志(慶應義塾大学)
              坂井聡(金沢大学大学院)
              岩根章夫(姫路市総合福祉通園センター)
              中澤惠江(国立特殊教育総合研究所)

自己決定・自己管理を引き出すためのマニュアル

1-1 コミュニケーションのルールが理解できていない(因果関係が不成立)

 働きかけてもほとんど反応が無い,あるいは,全く理解できない反応が返ってくる場合,自分がこうすれば相手はこうなるという関係(因果関係と呼ぶ)が理解できていないことがある。
 この場合,その関係が理解できるように関わりを続けていく必要があるが,多くの場合,日常の関わり方がまずいために,その関係の理解が遅れている。
 そのためにも障害に応じた適切な関わりを通して,因果関係の成立を促す必要がある。

B-3 発信に対する適切なフィードバックをする

 赤ん坊の頃,声を出せば,あるいは,体を動かせば親が話しかけてくれるという経験を我々は知らず知らず積んでいる。
 このことが,自分の発信が周囲の人を動かすという関係(因果関係)の理解を促している。

 ところが,発信しても,障害のためにそれが小さな声であったり,僅かな体の動きであった場合,周囲の人がそれに気づかず適切な受け答えができないことがある。
 これが繰り返されると,発信の意味をなかなか理解できないことになる。

 そのため,我々は障害のある人の発信に気を配る必要があるが,常時,その人を観察しておけるわけではない。
 そこで,時には装置を使うのも有効である。

 マイクを使って声を拡声するだけで,周囲の人がその反応に気づきやすくなる。
 また,スイッチとVOCAを組み合わせれば,僅かな体の動きを周囲の人が気づくメッセージとして音声化できる。

【関連支援技術】

 こころリソースブックおよびこころWebの「呼び出し」,「監視」の章を参照。
•呼び出しブザー
•監視装置

【参考文献】
•長崎勤他 1998 スクリプトによるコミュニケーション指導 川島書店

(つづく)

【引用終わり】



 重度障がい者の微弱な反応を、とらえやすくする工夫がさまざま行われている。
 上記の引用において取り上げているのはVOCAである。
 VOCAとは、Voice Output Communication Aidsの略称だ。
 音声出力会話補助装置である。
 また、ちょっとした動きにも反応するスイッチなども開発されている。
 こうした補助装置をうまく活用することで、重度障がい者とのコミュニケーションを成り立たせている実践も多く報告されている。
 
 (ケー)
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