知的障がい者に対するコミュニケーション支援の難しさ

 16, 2016 05:00
 知的障がい者に対するわかりやすい情報提供のあり方についてずっと話題にしてきている。
 今までは、特にわかりやすくする技術的な方法といった実践的な論文の紹介が主だった。
 これから紹介する論文は、わかりやすいとはどういうことかといった、基礎的な科学的分析に関するものだ。
 こうしたこともきっちり把握していることによって、わかりやすさの方向性をしっかりしたものにできるだろう。



【引用はじめ】

 知的障がい者のコミュニケーション支援に向けたテキスト分析
 工藤 瑞香 大塚 裕子(公立はこだて未来大学システム情報科学部)
 打浪(古賀)文子(淑徳短期大学こども学科)
 言語処理学会 第19回年次大会 発表論文集 (2013年3月)
 file:///C:/Users/仁/AppData/Local/Microsoft/Windows/INetCache/IE/Y5LKSS8K/B4-5.pdf

1. はじめに

1.1. 背景

 21世紀は,人権の世紀と言われている.
 我が国の法務省でも,本年度の活動重点目標に人権擁護を掲げている.
 さらに,近年ではソ ーシャル・インクルージョンの考え方も広まりつつある.
 しかしながら,障がい者を取り巻く環境は依然として厳しいままと言える.
 事実,内閣府により実施された障害及び障害者に対する国民の意識を調査する「障害に関する世論調査」では,障害者に対して差別・偏見があると思うと回答した人は 82.9% に及んだ.
 今日までに,情報技術開発による障がい者のコミュニケーション支援の研究は数多く行われている.
 しかしながら,このような情報技術開発は,障がいの程度や種類によりニーズが異なるため容易ではない.
 特に,自己選択,自己決定,自立的な行動が困難な知的障がい者に関しては,情報技術による支援が最も困難とされている[山内 2006].
 現状では,人的な支援が必要であることを指摘する研究者もいる[向後 2006].
障がい者が自由に社会参加するためには,情報技術開発によるコミュニケーション支援だけではなく,健常者が障がいに対して知識を得る仕組みや両者の交流の機会などがあるという環境が重要であり,そのような環境づくりを含めた支援が必要であると考える.
 そのためには,障がい者のコミュニケーションの実態を把握することが重要であると考える.
 本研究では,技術による支援が最も困難とされる知的障がい者に着目し,知的障がい者のコミュニケーションに関する基礎的な分析・考察を行う.

【引用終わり】



 知的障がい者が自立的に生活できるようにするためには、わかりやすい情報提供のあり方を世の中に広めることが重要だ。
 そうした環境づくりを進めていくことが求められる。
 今はまだまだの感がある。
 そうした認識が関係者の中にも十分広まっていない。
 
 (ケー)
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