ワークショップにおける質疑の工夫

 12, 2016 05:38
 知的障がいのある人にも、ワークショップ等において積極的に発言し、質疑応答ができるようにしたい。
 今まで、ほとんどそうした体験がない。
 そうした機会に恵まれてこなかった。
 関係者にとっては代わりにやっておけばいいぐらいの認識だった。
 知的障がい者の自立を考えれば、もっと主体的な活動を準備すべきと考えるのは必然である。
 以下は、その実践例である。 

 本論文の紹介はこれで第7回目となる。



【引用はじめ】

file:///C:/Users/仁/AppData/Local/Microsoft/Windows/INetCache/IE/DM59WIH0/kiyou08-13.pdf

当事者参加型の研究における知的障害のある人への情報提供支援について ~試行的ワークショップを事例として~
狩野晴子

4 ワークショップを終えて

 長時間の活動はたしかに参加者の負担となるが、時間の経過とともに集中力が低下したかという と、参加者の様子を見る限りそうともいえない。
 最後に実施した「第9章 生活の楽しみ」では、参加者一人ひとりが順番に発言する場面が見られるなど、1日の中で最も活発に意見を交わした時間であった。
 特に「第9章-1 あなたは、できればこんなことをやってみたいと思っていること はありますか。それはどんなことですか。」、
 「第9章-2 ずっと続けている趣味はありますか」
 「第 9章-3 休みの日にあなたはよく外出しますか?」という質問では、
 これまで発言しなかった参加者から「○○に行った」「○○が好き」等の発言が見られた。

 また、ワークショップ開始直後でも、「第1章-3あなたは自分の部屋の鍵を持っていますか。上手に使えますか。あなたのほかに同じ鍵を持っているのは誰か知っていますか。」という質問では、意見が出にくく、○か×かを答えるだけになってしまった。
 この質問は、入所者委員会で繰り返し 話題にされてきた内容であり、「鍵は自分の生活を自分で管理することの象徴であり、自分の部屋に鍵がついていないことや鍵を持っていないことは問題である」という認識に立っている。
 しかし、普段から鍵の重要性について議論を重ねている入居者委員会とそうでない参加者の間では温度差があり、議論へと発展させることができなかった。
 したがって、質問の内容が自分の問題として身近 に感じられたり、普段から意識していることは答えやすく、反対に意識していないことは答えにくいことがわかった。
 テキスト『グループホームでいきいきと』を使ったワークショップでは、普段意識していないことでもあえて質問をすることでグループホーム入居者の問題意識を喚起したいという目的もあるため、答えにくい状況のなかでどのように議論を発展させていくのか、その方法については今後更なる工夫が必要である。

 他にも、一つの質問項目に二つの質問が存在するものは一つに整理すること、「~は、ありませんか?」のような解答が複雑になる聴き方は「~は、ありますか?」に統一する、スライドは文字だけではなく可能な限り質問の理解を助ける写真や絵を用いることなどが必要な改善点としてあげら れる。

(つづく)

【引用終わり】



 知的障がいのある人にとって、身近で切実な問題であれば、さまざま意見交換が可能である。
 そうしたテーマの設定が重要なのだ。
 わかりやすい内容を吟味した取り組みによって、多くの経験を積ませることを考える必要がある。

 (ケー)
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