わかりやすい表現に関する今後の課題

 03, 2016 05:00
 以下のように『わかりやすい表現』についてずっと引用してきた。
 今回が最終回になる。
 最終回は次のような内容である。
 英国の研究について紹介しているホームページは、とても充実していること。
 そして、今後の研究課題の列記である。



【引用はじめ】

平成17年度「障害のある人と援助者でつくる日本グループホーム学会」 代表者 室 津 滋 樹
5 『わかりやすい表現』(plain text)活動・研究の現状と方向性 (p97~.p.107)
分担研究委員
名川 勝 渡辺勧持 薬師寺明子(美作大学) 杉田穏子 (立教女学院短期大学) 花崎三千子 堀江まゆみ 鈴木義弘
鈴木伸住(Sプ ラン三ング) 岩本真紀子 (全日本手をつなぐ育成会)

5. 海外での取り組み

 海外では以前から積極的にわかりやすい表現の提供に努めているところもある。
 これらのうち、一部について例示する。
 ここではニュージーランドと英国の一部のみ示すが、当該国にも紹介しきれない活動があり、また北欧、米国、カナダ等活発な国も少なくない。
 国として制度的に定めているところもある一方で、民間レベルでの活動も進められている。
 各国における活動展開について、公的制度としてどのように定められているのか、また民間における提供システムはどのようになっているのか、断片的に伝えられている情報は少なくない。
 これらを踏まえて体系的に調査する必要があるだろう。

(3) 英国Norah Fry lnstitute

 Norah Fry Research Centreはブリストル大学に置かれ、主として知的障害者へのサービスについて研究を進めている。
 このホームページ内にはPlain Factsというサイトがある (http://www.plain-facts.org/)。
 いわゆるfact sheetとは研究結果や事業概要について要約し広く提供するための文書を指すが、これを知的障害のある人にもわかりやすくリライトした文書ならびに音声テープが作成されている。
 これはホームページから閲覧できるとともに、音声でも聞くことができるようになっている。

6. 今後の研究

 以上、関連事項について概観を行った。
 最初に記載したとおり、「わかりやすい表現」についてはその必要性が認められているにもかかわらず、海外諸国に比べて実践的展開は十分とは言えず、また研究としても今後の進展が期待されるところであると言える。
 研究としてはたとえば次のようなことが行われうる。

● 知的障害者 ・発達障害者の情報アクセシビリティに関する理念的議論
● 国内外における活動の実態調査、制度調査
● わかりやすい表現の書き方に関する言語学的、 心理学的研究(基礎研究、実践研究)
● ホームページ等公開と広報に関する実践的研究

 また関連して、本人が参加しながら進める研究方法の展開が進められることが想定され、方法的、倫理的な検討がなされる必要があるだろう。
 グループホーム学会としては、まず試行的に第1回研究集会における口頭発表の一部をリライトする作業を行い、これの検討を通して、学会発表をすべての学会員に対して提供するシステムを考えることを行っている。
 また今後はホームページ等を通じたさまざまな情報の公開サイトを検討することも考えていきたい。

(継続的連載終わり)

【引用終わり】



 今後は、『わかりやすい表現』に関する情報提供を積極的に実施していくことだ。
 専門のホームページが必要である。
 多くの研究者、実践家、当事者等の関係者が集える場になるようにしたいものだ。

 (ケー)
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