わかりやすい表現に関する調査のきっかけ

 28, 2016 05:00
 わかりやすい表現の必要性は、グループホーム学会の活動を通じて感じたものだった。
 グループホーム学会は「障がいのある人と援助者でつくる」といった学会である。
 そうなると、障がいのある人にとって、学会内で話し合われる内容が理解できるようにする試みは必然である。
 それによって基礎的調査が実施されるようになった。
 そのへんの経緯が以下に記されている。



【引用はじめ】

平成17年度「障害のある人と援助者でつくる日本グループホーム学会」 代表者 室 津 滋 樹
5 『わかりやすい表現』(plain text)活動・研究の現状と方向性 (p97~.p.107)
分担研究委員
名川 勝 渡辺勧持 薬師寺明子(美作大学) 杉田穏子 (立教女学院短期大学) 花崎三千子 堀江まゆみ 鈴木義弘
鈴木伸住(Sプ ラン三ング) 岩本真紀子 (全日本手をつなぐ育成会)

4.  どうすればわかりやすくできるか

 わかりやすく書くためのマニュアルは、海外のものも含め既にいろいろ出されている。
 外国版については言い換えるべき言葉などいくつかの点でそのまま使えない箇所はあるものの、多 くは参照できる。
 それらについて概観すると、次のような指摘などがある。
 筆者なりに整理しアレンジしてある。
 もともとの具体的な指示は、末尾文献を参照されたい。(本稿はマニュアル提示が目的ではないので概要提示に留める)

(2) 説明的文章での工夫

 ところで筆者が plain text/1anguageの調査を始めたのは、グループホーム学会の活動におけるニーズからだった。
 当学会は「障害のある人と援助者でつくる」とうたっているユニークな学会である。
 2005年には研究集会を試行的に開催するなど研究活動の展開も図ってきたところだが、学会として標榜しているとおり、当事者や現場と研究の連携のあり方については重要な課題であった。
 そこで研究集会における議論を経て、障害のある学会員にも研究成果を伝えるよう努めるべきではないかとの意見が集約され、その検討に至ったものである。
 本稿冒頭に記したようにわかりやすい表現の活動自体は既に先駆者が少なからずおり筆者が意見する立場にはないが、いわゆる学術研究をリライトする試みというのは未だ希有である (海外に存在することは後述する)。
 そこで先行研究あるいは関連分野研究者からのヒアリング等予備的調査を始めてみたところ、いわゆる説明的文章(岸、2004)に対する概念/メ ッセージを伝えるレベルでの工夫に関する提案は必ずしも多くないことを感じた。
 さらにこれらに関する根拠提示は十分整理されていない段階である。
 言語学や心理学、リハビリテーション分野などに参照しうる蓄積があるので、これらを吟味することも有用だろう (たとえば岸、2004、秋田・ 久野、2001)。

(つづく)

【引用終わり】



 知的障がいのある人も参加する学会活動がどのように成り立っているものか。
 実験的な試みとも言える。
 その中で、わかりやすい表現のあり方がどのように進展しているのだろう。
 「障害のある人と援助者でつくる日本グループホーム学会」のホームページを参照してみた。
 私がみた限りでは、そうした調査研究の内容は見当たらない。
 この学会においては、「住まいの場」のあり方が関心の中心であるからだ。
 そうとなれば、「わかりやすい情報提供」を中心に調査研究する学会の設立も考えられていいと思うのだが。
 
 
 
 (ケー)
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