わかりやすくする工夫

 26, 2016 05:17
 知的障がい者にわかりやすく情報提供するためのマニュアルは、今までも考えられてきた。
 それを参照して作成した成果物もある。
 しかし、それが一般化されて知られているかというとほとんど知られていない。
 知的障がい者に活用し、実践されているのもごく限られている。
 関係者も当事者もそうしたことに関心を向けることが少ないといったことが現状である。
 以下において、今までわかりやすくする工夫についてどのように考えられてきたか述べられている。



【引用はじめ】

平成17年度「障害のある人と援助者でつくる日本グループホーム学会」 代表者 室 津 滋 樹
5 『わかりやすい表現』(plain text)活動・研究の現状と方向性 (p97~.p.107)
分担研究委員
名川 勝 渡辺勧持 薬師寺明子(美作大学) 杉田穏子 (立教女学院短期大学) 花崎三千子 堀江まゆみ 鈴木義弘
鈴木伸住(Sプ ラン三ング) 岩本真紀子 (全日本手をつなぐ育成会)

4.  どうすればわかりやすくできるか

 わかりやすく書くためのマニュアルは、海外のものも含め既にいろいろ出されている。
 外国版については言い換えるべき言葉などいくつかの点でそのまま使えない箇所はあるものの、多 くは参照できる。
 それらについて概観すると、次のような指摘などがある。
 筆者なりに整理しアレンジしてある。
 もともとの具体的な指示は、末尾文献を参照されたい。(本稿はマニュアル提示が目的ではないので概要提示に留める)

(1) これまでに指摘されている工夫

● 文字は大きめの活字を使う。
 書体も読みやすく凝らないものを選ぶ。
 行間 ・字間を広めに取る (ただし文章としてのまとまり、段落としてのまとまりを損なわない)。

● 難しい言葉や概念を使わない。
 使わざるをえないこともあるが、それでも少なくする。
 使 うときは説明を加える。
 ただし説明が長く複雑だと文章の流れを乱し、かえってわかりにくくなることに気をつける。

● 一文は短 くする。
 複雑な文構造にしない。
 次の意味の固まりとの行間を空けるなどして文の固まり、意味の固まりをわかりやすく示す。

● イラスト・写真を使う場合は本文の文意を補助するようなものを用いる。
 複雑にしない。
 多 くしない。
 文章の位置と近い位置に置き、関係をわかりやすくする。(装飾目的のイラスト等を否定するものではないが、わかりにくくするようなものは控えるべき)。
 テープなどの音声情報や口頭で直接伝えられるのであれば、そのほうが良い人も少な くない。

(つづく)

【引用終わり】



 わかりやすくする工夫は、以上の原理・原則に則るといいのだろう。
 しかし、こうした実践がたくさんなされていない。
 関係者や当事者のニーズに世の中の人たちは気づいていない。
 いちいちこうした手間をかけていられない。
 このあたりのことを克服しないと、一般的にわかりやすくするといったことが普及しない。
 わかりやすい情報提供できる社会システムの構築こそ必要だ。
 興味を持ってくれる研究者、行政機関、人材等がいるといい。
 それも常設機関があって、常に活動できる態勢である。
 また、スマホなどでわかりやすくするアプリなどが開発されるともっといい。
 こうしたことに興味を持ってくれる技術者がいるといいのだが。
 
 (ケー)
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