知的障害者向けのわかりやすい情報提供は浸透してない

 11, 2016 05:00
 日本においては、知的障がい者に対するわかりやすい情報提供は普及してない。
 知的障がい者向けにも資料作成が必要だとする認識も極めて乏しい。
 それに関する実情について、打浪文子氏が以下に述べる。



【引用始め】

http://synodos.jp/welfare/14700
2015.07.28 Tue
知的障害者への情報提供――わかりやすい情報提供の実現に向けて
打浪文子 / 障害学

知的障害者に対する情報提供の現状 

 日本では知的障害者向けのわかりやすい情報提供はそれほど浸透していません。

 1990年代より、知的障害児・者の親の会である(福)全日本手をつなぐ育成会を中心とした出版社や有志によって、知的障害者が読むことを前提とした生活や権利に関する「わかりやすい」ブックレット等が作成されてきましたが(注3)、この他には国内の実践が少ないのが現状です。

(注3) 近畿視覚障害者情報サービス研究協議会LL ブック特別研究グループが、2008年に国内のLLブックをまとめたリストを作成していますが、決して総数は多くありません。「LL ブック・マルチメディアDAISYデイジー資料リスト」

 公共性の高い時事情報等に関しても例が少なく、普段から様々な事を知りたいと思っている知的障害者の中には、かつてテレビで放送されていた「週刊こどもニュース」や、字幕にふりがながついている「手話ニュース」などを活用している人もいます(注4)。

(注4) 「週刊こどもニュース」は2010年までNHKによって放送されていたものです。
 また、こうした実態は以下の文献で行った聞き取り調査の結果から記したものです。
 打浪文子(2014)「知的障害者の社会生活における文字情報との接点と課題―軽度及び中度の当事者への聞き取り調査から―」『社会言語学』14, 103-120.

 政府関係の広報においては、わかりやすい資料の作成とウェブサイトへの掲載が少しずつ見られるようになってきましたが、障害者に関連の深い法律の整備や政策提示に関する内容に限られています。

 また、各自治体や支援・サービスの提供者が個別に本人向けの支援やサービスに関するわかりやすい資料を作成していることもありますが、社会全体を見た時、未だ知的障害のある人にとってわかりやすい情報提供は普及しているとは言えないのが現状です。

(つづく)

【引用終わり】



 知的障がい者に対するわかりやすい情報提供を必要とする機運を高めたい。
 知的障がい者に接する時、配慮あるコミュニケーションによって、より良い関係を築くことができるようにするためである。
 大阪の手をつなぐ育成会がそのためのガイドラインを作成した。
 こうした成果を一般社会にどうやって普及するのか。
 普及拡大のあり方が大きな課題である。
 関係者のみで貴重な成果がとどまっているのが現状である。

 (ケー)
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