自己決定支援を考慮に入れた制度

 02, 2016 05:06
 「日本百科全書」からとった「成年後見制度」に関する解説を、続けて引用している。
 その制度成立までの背景について、詳しく解説している。
 高齢化が進みその介護サービスに関する新たな制度改正と、禁治産制度との整合性をとる必要性が生じた。
 そのため、成年後見制度という新たな制度改革となった。
 以下において、その過程が詳しく記されている。



【引用始め】

https://kotobank.jp/word/%E6%88%90%E5%B9%B4%E5%BE%8C%E8%A6%8B%E5%88%B6%E5%BA%A6-154782
コトバンク
成年後見制度 せいねんこうけんせいど

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

成年後見制度成立の背景

 一方、高齢化の進展に伴い介護の問題が深刻化するなか、高齢者介護の社会化を目ざした介護保険法が1997年に制定された。
 従来の高齢者介護に関する制度(特別養護老人ホーム・在宅介護サービス)ではサービスを受ける者の判断能力はあまり問題とされなかったが、新介護保険制度は法制上の「措置」ではなくサービスを受けるものの自己決定による選択方式を採用するため、判断能力が不十分な人に対して、サービスの選択や契約などにおいて、自己決定ができるよう適切な支援をする必要がある。
 しかし従来の禁治産・準禁治産制度は、前記のようにさまざまな問題があり、介護保険法の円滑な運用のためにも、より利用しやすい新制度の整備が緊急課題であった。

 こうした事情を踏まえて、成年後見関連の法律は介護保険法と同時施行(2000年4月)を目ざして準備され、1999年12月に、民法の一部を改正する法律(平成11年法律第149号)、任意後見契約に関する法律(平成11年法律第150号)、後見登記等に関する法律(平成11年法律第152号)などが成立し、2000年4月から成年後見制度が導入された。
 なお、民法をはじめすべての関係法律において「禁治産者」「準禁治産者」「無能力者」などの差別的印象を与える表現は、それぞれ「成年被後見人」「被保佐人」「制限能力者(行為能力が制限されている未成年者と判断能力が低下した者をさす。
 2004年の民法改正からは制限行為能力者)」などに改められた。
 また、ノーマライゼーションの理念の観点から、判断能力がないことを理由に資格制限を規定していた多数の法律の見直しもなされた。
 ただし、医師・弁護士・司法書士などの専門的資格、株式会社の取締役など他人の財産の管理者、薬局・旅行業・警備業など免許・登録等を必要とする営業、選挙権・被選挙権(成年被後見人のみ)などの政治的権利には資格制限が存続している。[池尻郁夫]

 2013年5月、「成年被後見人の選挙権の回復等のための公職選挙法等の一部を改正する法律」が成立し、同年7月以降に公示・告示される選挙から、選挙権・被選挙権の制限はなくなった。[編集部]

(つづく)

【引用終わり】



 介護保険法と成年後見関連の法律は、兄弟関係として成立した。
 判断能力の不十分な人に対するサービスが、本人の意思に反するものにならないようにする。
 そこを踏まえることを意図したものである。
 実際の運用において、サービスを受ける人たちの権利が守られることが重要だ。
 そうしたこともあって、成年被後見人の選挙権の制限もなくなった。

 (ケー)
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