成年後見制度成立の背景

 01, 2016 05:27
 成年後見制度は従来の禁治産制度の改善を図るために導入されたものである。
 そうした成立に関する背景は、「日本大百科全書の解説」によると、以下のとおりである。
 禁治産制度によって、本人の人権が侵されて問題になるケースも多かった。



【引用始め】

https://kotobank.jp/word/%E6%88%90%E5%B9%B4%E5%BE%8C%E8%A6%8B%E5%88%B6%E5%BA%A6-154782
コトバンク
成年後見制度 せいねんこうけんせいど

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

成年後見制度成立の背景

新制度(成年後見制度)が導入される以前の旧民法では、禁治産・準禁治産制度が設けられていた。
 禁治産制度は「心神喪失の常況にある」と判断される人、すなわち重度の認知症など意思能力がつねにない状況の人(禁治産者)に、家庭裁判所が禁治産の宣告をし、本人の行為能力を奪うことによって保護をするものであった。
 禁治産宣告がなされると後見人が選任され、本人にかわって財産管理や身上看護が行われた。
 準禁治産制度では「心神耗弱(こうじゃく)者」または「浪費者」と判断される人(準禁治産者)に対し、家庭裁判所が準禁治産の宣告を行い、保佐人が選任され、重要な財産行為などは保佐人が同意しないと完全に有効とはされなかった。
 禁治産制度の後見人も準禁治産制度の保佐人も、配偶者がなることが原則であり、該当者がなければ親族など利害関係人の請求によって選任された。

 ところが、この旧制度では、後見人・保佐人が置かれるに至る手続に費用と時間がかかること、
 後見人・保佐人が置かれると、行為能力が一律に剥奪(はくだつ)ないしは制限を受けるために、
 当事者が、複雑な法律行為は無理だが、預金の出し入れや生活用品の購入など日常的な法律行為ができる段階にある場合には不適当であること、
 後見人・保佐人となるべき配偶者が高齢で不適当なことがあること、
 禁治産の名称に社会的偏見があり、禁治産宣告を受けると、本人は選挙権を喪失し、
 とくにそれが戸籍簿に記載されることなどから、あまり利用されないのが実情であった。
 さらに親族間の財産争いに端を発して、自分が高齢者の後見人になれば有利になるために、禁治産宣告を悪用する事例もあった。
(つづく)

【引用終わり】



 禁治産者となれば、本人の権利が大きく制限される。
 本人の権利は剥奪され、自由な法律行為ができなくなる。
 特に、財産に関することが制限される。
 親族間の財産争いが、禁治産制度の悪用となるケースもあったという。
 こうした問題を解消しようとする制度として、「成年後見制度」が導入された。
  
 (ケー)
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