知的障がい者に対する情報提供の実践

 29, 2016 05:00
 スウェーデンでは、やさしく読める本というのがある。
 知的障がい者用に開発されたものである。
 1960年代から作成されている。
 知的障がい者も本が読めるような対策がなされていた。
 本を読ませたい、読みたいといったニーズがあったことになる。
 そういう問題意識をもって対応した人たちがいたということである。
 以下、内浪文子氏の論稿からの引用だ。
 内浪文子氏の論稿の第5回目として紹介する。



【引用はじめ】

2015.07.28 Tue
知的障害者への情報提供――わかりやすい情報提供の実現に向けて
打浪文子 / 障害学
http://synodos.jp/welfare/14700/2

知的障害者に対する情報提供の現状

 諸外国には知的障害者に対する情報提供の実践があります。
 例えば福祉先進国と言われるスウェーデンでは、1960年代後半から、司書や障害者団体によって本を読むことが難しい人々が読めて理解できる文学が必要であることが主張され、「LLブック」(やさしく読める本)の作成が始まりました。(注1)

 (注1) 原語(スウェーデン語)ではLL-bokと称されます。
 LLは「読みやすい」ことを意味する単語であるLättlästの略です。
 日本国内でも「LLブック」と称される本もあります。
 なおLLは英語圏ではeasy-to-read,plain text,accessible writingなどと表現されます。

 さらに、知的障害者や言語的困難を抱える人々の読書活動が推進されています。
 読みやすさに配慮された『8SIDOR』という代表的な新聞及びウェブサイトもあります(注2)。

 (注2)  「8SIDOR」は現在では知的障害や発達障害のある読者だけでなく、移民などの言語的な困難を有する人々も読者となっています。

【引用終わり】



 スウェーデンにおいては、知的障がい者だけでなく、移民問題への対策でもあった。
 母国語に問題を抱えた人たちへの解決策として、やさしく読める本が作成されていた。
 日本では、そうしたニーズを切実なものとして、今まで捉えることがなかった。
 本人からの声もほとんどなく、家族や支援者等も代行することでやり過ごしてきた。
 しかし、少しずつ本人活動が盛んになってきている。
 本人も主体的に要求することが出てきた。
 もっとわかりやすく情報を伝えることのニーズが高まってきている。
 知的障がい者が求める合理的配慮といっていい。
 
(ケー)
関連記事

COMMENT 0

WHAT'S NEW?