「否認」がアディクションのもっとも大きな特徴

 13, 2015 05:00
 以下には、アディクション(嗜癖・addiction)の家族に及ぼす深刻な問題が述べられている。
 アルコール依存によって、家族関係を崩壊させてしまう。
   
 本調査報告書の紹介は81回目になる。



【引用はじめ】

障害のある人の きょうだいへの調査 報告書

障害者の家族支援を目指すための調査研究Ⅱ
-特に支援体制が遅れているきょうだいへの支援を視野に入れて-
平成20年6月発行
財団法人国際障害者年記念ナイスハート基金
http://www.niceheart.or.jp/jigyonaiyomenu/kazokusien/

第2部 障害者のいない家族との比較編

学習会報告(3)
「アルコール依存症者がいる家族」について
講師:水澤都加佐 氏 
ヒーリング&リカバリー インスティテュート所長

6. アダルト・チルドレン(AC)

 【問】 障害のある人のいる家族が障害の受け入れなどの混乱や面倒で機能不全家族になることがありますが、先程一時期のことであっ てそれは改善されるということをおっしゃっていました。
 ずっと引きずっているケースも ありますか?

 【水澤氏】 もちろんあります。
 ご家族の負担と苦しみというのは非常に大きいです。
 行政は家族の苦しみまでは代われないです。
  しかしアルコール依存症がいる家族と障害者がいる家族、もしくは「癌」患者がいる家族とは少し違います。
 アルコール依存症がいる家族は、すぐ怒ったり、怒鳴ったり、何とでもなれ、どこへでも行ってくれ、という気持ちになります。
 家族には家族の感情があるので客観的に関わるのは難しいです。
 ですから、このアディクション業界では家族が家族の援助者になることは難しいです。
 この病気の破壊力は癌の比ではありません。
 その理由のひとつは酩酊、酔っ払うということです。
 酔っ払いを相手にしなければいけないのは不愉快です。
 2 つ目は本人の記憶が定かでないことです。
 はちゃめちゃなことを言います。
 また「否認」というのがあります。
 要するに「私が酒を飲むのはあのせいだ、お前のせいだ」「ス トレスがあるからだ」「仕事が忙しいからだ」 等、全ての言い訳の中で飲むのです。
 この「否認」がアディクションのもっとも大きな特徴です。
 次に決して自分から治療を求めないという特徴があります。
 依存症者が自分から治療を求めるのは、飲みすぎて、腹水がたまって苦しくなったときに求めるくらいでしょう。
 100 人の新患が来たとしても、自分の意思で来ている人はほとんどいません。
 多くて一人でしょう。
 ですから家族はものすごく影響を受ける。
 それが他の病気と違う点です。

 ですから、アディクションを持っている人が 家族にいた場合と障害者がいた場合では家族全般に対する破壊力というのは圧倒的な差があります。
 たとえば、障害者がいた場合、障害者に対して怒りをぶつけるというのは障害がない他の家族にとっては普通のことですか?

 【問】 怒りはもっていますが、否認するようにしつけられることが多いのではないかと思います。

【引用おわり】



 アディクション(嗜癖・addiction)は、家族関係を大きく毀損する。
 それは次のような理由からである。
 1 依存者も被害者も悪感情をいだく。怒鳴り合いなどしょっちゅうである。
 2 被害者側の家族が援助者になりにくい。
 3 依存者は酩酊状態にあるので記憶が定かでない。
 4 依存者は問題に対して自己否認して、自己責任をとらない。
 5 依存者は自ら治療に励もうとしない。
 6 依存者に対して、被害者側は怒りを直接ぶつける。
 以上、アルコール依存者のいる家族は、家族そのものを維持していくことが困難な状況にある。
 
(ケー)
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