アルコール依存症者がいる家庭の子どもの成長

 04, 2015 05:00
 アルコール依存症のいる家族の子どもが健康に育つための条件は何か。
 以下に、それに関する記述がある。
 その条件とは、無条件の愛情と家族の安全性と家族的なモデルだとしている。
  
 本調査報告書の紹介は72回目になる。



【引用はじめ】

障害のある人の きょうだいへの調査 報告書

障害者の家族支援を目指すための調査研究Ⅱ
-特に支援体制が遅れているきょうだいへの支援を視野に入れて-
平成20年6月発行
財団法人国際障害者年記念ナイスハート基金
http://www.niceheart.or.jp/jigyonaiyomenu/kazokusien/

第2部 障害者のいない家族との比較編

学習会報告(3)
「アルコール依存症者がいる家族」について
講師:水澤都加佐 氏 
ヒーリング&リカバリー インスティテュート所長

5. アルコール依存症者がいる家庭の中で子どもが成長するために必要なものは確保されているか

 さて、依存症者がいるとどうなるかです。
 保護やケアは、それがなければ子供は生きていくことができなくなるので、依存症者がいようといまいと、これは何とか子どもたちに提供されなければなりません。
 しかし実際には、保護とケアが子どもに届かないときがあります。
 またかろうじて子どもがもらえたとしても、無条件の愛情と家族の安全性がもらえるかどうかは、子どもの健康な成長に不可欠です。
 お酒をめぐって口論が耐えない家族の中で、子どもは自分に焦点を当てることができずに親に焦点を当てています。
 親は配偶者にもはや期待ができないと思うと、子どもに期待をします。
 「お父さんはあきらめてるけど、あなたたちは別よ」ということになると子ども達は 親の期待を一身に受けて、学校で良い成績を とって帰り、お母さんにほめられます。
 翌日違う教科で悪い点数を取ってきます。
 今度は 「何よこの点数は、みっともない。あなたにだ け期待しているのよ。」といわれると、子ども はまさに無条件で愛されているという感覚がありません。
 このように依存症者がいる家庭では無条件の愛情も家族の安全性も家族の中の健康なモデルもありません。
 それでどうやって子どもが健康に育つでしょうか。
 もし、祖父母でもそばにいて、その人たちがこれらを提供してくれたら子どもは変わります。
 あるいは、保育士や学校の先生方がこういうものを提供してくれただけでも、子どもは健康に成長します。
 子どもはこれを一生懸命捜しています。
 ですから学校に行くとこれらがある場所が保健室で、よほどのことが無いかぎり養護教員がそこの部屋だけで受け止めてくれるので、子どもにとってはまさに安全な場です。
 そこに子どもにとってのひとつの家族的なモデルがあります。
 ですから保健室通いになるということはよくあります。
 このようにして子どもは影響を受けていきます。

【引用おわり】



 アルコール依存症の父親がいる家族は、常に不安定な中で過ごすことになる。
 特に、子どもへの影響は大きい。
 不安の中で生活する子どもは、そのバランスを取るため子どもなりの努力する。
 母親の前では、良い子でいようとする。
 しかし、常に良い子でいることができない。
 ある種の破たんをきたす。
 子どもはなんで自分ばっかりがんばっているのにといつか努力をあきらめる。
 その肩代わりをする支援策が求められる。
 母親でなければ祖父母の存在は大きい。
 子どもを無条件に受け入れてくれる存在が必要なのである。
 
(ケー)
関連記事

COMMENT 0

WHAT'S NEW?