障がいのないきょうだいの悩みの深刻さを理解できなかった

 20, 2015 05:00
 障がいのある子がいて、母親としては他のきょうだいに十分目をかけることが出来なかったという相談が、以下の内容である。
 きょうだいも悩みをかかえ、どうしていいかわからなかったことを打ち明けられた時の母親の問いかけである。

 本調査報告書の紹介は58回目になる。



【引用はじめ】

障害のある人の きょうだいへの調査 報告書

障害者の家族支援を目指すための調査研究Ⅱ
-特に支援体制が遅れているきょうだいへの支援を視野に入れて-
平成20年6月発行
財団法人国際障害者年記念ナイスハート基金
http://www.niceheart.or.jp/jigyonaiyomenu/kazokusien/

第2部 障害者のいない家族との比較編

学習会報告(2)
「不登校児やひきこもりの子どもがいる家族」について
講師:西野博之氏 NPO法人フリースペースたまりば理事長

●不登校児の家族について

 さて、ここの子どもたちの家族についてですが、子どもを通して出会っているのですが、「フリースペースえん」に利用登録するには、基本的に親との面談が最初に必要となるので、まずは親との出逢い、相談からスタートします。
 ここの場だけでなく今までに、「不登校の親の会」にも参加したり、長年親の相談を聞いてきたので、親の悩みは様々で深刻なものも少なくありません。

【問】私は障害児の親でして、真ん中の障害のある子ども中心の生活をしてきたので、その間、他のきょうだいをかまってあげることができませんでした。
 そのきょうだいが思春期を向かえた時、きょうだいの悩みやストレスを知り、親としては非常にショックを受けたわけです。
 上の子から「自分の苦しさをわかってくれる人は誰もいない」と言われ、下の子は兄の能力を超えることに悩み、友人に兄を見られたくないと一緒に行動することを嫌がり、障害のないきょうだいたちも悩み苦しんでいたことを知りました。
 親としてどのようなサポートをしてあげたら良いのか。
 そこで、同じように感じているきょうだいたちがいるならば支援する必要があるのではないかと考えたわけです。
 今日は障害児のきょうだいだけでなく、子どもに関する問題とされる家族にも共通する現象や実態があるとすれば問題解決の手がかりになるのではということで、多くの不登校児の家族と接してきた西野さんにお伺いしているのですが、その辺のところいかがでしょうか。

【西野氏】上の子が不登校になって、下の子には「あなただけは学校に行きなさい。」と親から言われた下の子どもが悩むケースがあります。
 「何でおにいちゃんは学校に行かないのに、私は行かなくてはいけないの。」と。
 親はひとりの子どもが思い通りにいかないと、違うきょうだいに期待をすることが多々あります。
 日本社会では、学校に行かないことは悪いこと、あってはならないこととされる風潮があるので、子どもが不登校になると親は周りから「育て方が悪い」、姑からは「嫁の血が悪い」とまで言われるなど、特に母親への責任追及が始まります。
 なので母親はきょうだい全員が不登校児になれば、親の評価がもっと悪くなるので、「お兄ちゃんの分まで頑張れ。」ということになるのです。

 周りの無理解が親を苦しめ、きょうだいに、また不登校児にも過剰な期待をかけてしまうことになるのです。
 地域ですべての子どもたちを守り、育てあう社会であれば、このような現象は起こらないと思います。

【引用おわり】



 障がい児のいる家族にとって、障がいのないきょうだいに対する期待は、想像以上に大きくなる傾向にある。
 学校が全てと考えがちであるが、ある意味開き直ることも必要だ。
 不登校児にとって学校そのものがストレスになっている。
 学校から少し離れることもあっていい。
 そうした価値観を受け入れる余裕が家族も周囲(社会)にもなければならない。
 目先の時間軸で考えるとうまくいかない。短期対応でなく、長期対応でものごとをとらえることである。

(ケー)
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