産業化によって家族の機能が外部化された

 11, 2015 05:00
家族社会学では家族をどのようにとらえるか以下で説明している。
 障がい者のいる家族のきょうだいのあり方について、その基礎的論考を提示している。

 本調査の紹介は49回目になる。



【引用はじめ】

障害のある人の きょうだいへの調査 報告書

障害者の家族支援を目指すための調査研究Ⅱ
-特に支援体制が遅れているきょうだいへの支援を視野に入れて-
平成20年6月発行
財団法人国際障害者年記念ナイスハート基金
http://www.niceheart.or.jp/jigyonaiyomenu/kazokusien/

第1部 基礎データ編(アンケート調査)および分析編

学習会(1)
「障害者家族」について
講師:末盛 慶氏  日本福祉大学准教授

1. 家族とは何かー時代により変化するもの

 社会学者オグバーンは、近代化前の家族は、 経済、地位付与、教育、保護、宗教、娯楽、愛情という7つの機能があったが、愛情以外の6つの機能は近代化の中で企業、学校、病院などの専門的な制度に吸収されていったと論じました。

 こうした議論を家族機能縮小論とも言います。
 これについてはいろいろ議論がありますが、産業化する中で家族の機能が1つ1つ外部化されていくというのが社会学における伝 統的な見方でしょう。
 例えば、介護は家族で抱えていたが、介護保険ができて、ある程度外部化が可能になる。
 育児に関しても保育所というかたちの外部化の方向を見出すことができます。
 もちろん高齢者や乳幼児も依然として家族に頼っている面が多いと思いますが、外部化の動きもある。
 どこでケアを行うか?

 ということは基本的に流動的なわけです。
  したがって、家族の機能に何らかの本質を求めるのは難しいというスタンスを現在の家族社会学ではとることが多いと思います。

 このように産業化した以降に生まれた家族のことをそれまでの家族と区別する意味で、 近代家族といいます。

【引用おわり】



 近代家族においては、かつてあって家族の機能を徐々に外部化してきた。
 言い換えれば、家族が伝統的に持っていた機能は、アウトソーシングすることによって身軽にしてくれた。
 社会学者オグバーン説によれば、残るは、愛情のみ。
 家族間の強固な関係性ということになるのだろうか。
 絆といった言い方もできる。
 核家族化が進んでそれもあまり執着しなくなっている感じがするのだが。
 家族という基本単位が今後どのような方向にいくのか。
 そうなった場合、障がいのある人にとって生活がしやすくなるのか、しにくくなるのか。
 障がい者支援が家族単位でなく、社会が引き受け、だれもが支援を分かち合う必要が出てこなければならない。

(ケー)
関連記事

COMMENT 0

WHAT'S NEW?