障がいのある人や家族が幸せに暮らすため、社会の変化への希望に関する調査

 09, 2015 05:00
家族の中に障がい者がいるきょうだいは、障がい者に対する理解と偏見差別の解消を一番望んでいる。
 その調査結果が以下のとおりだ。

 本調査の紹介は47回目になる。



【引用はじめ】

障害のある人の きょうだいへの調査 報告書

障害者の家族支援を目指すための調査研究Ⅱ
-特に支援体制が遅れているきょうだいへの支援を視野に入れて-
平成20年6月発行
財団法人国際障害者年記念ナイスハート基金
http://www.niceheart.or.jp/jigyonaiyomenu/kazokusien/

第1部 基礎データ編(アンケート調査)および分析編
第3章 障害のある兄弟姉妹がいることの影響
第 5 節 障害のある兄弟姉妹が家族にいること
植木きよみ・吉川かおり

●障害のある人や家族が幸せに暮らすため、社会の変化への希望(問 16 自由記述)

 回答の中からいくつかのキーワードを抽出し 6 グループにまとめた。
 それぞれの回答の中から 6 グループに値するキーワードを拾い出し複数回答として集計した。

 その結果約半数の人々が「障害者に対する理解を広め、偏見差別をなくす」45.9% ことを希望 していることが分かった。
 次いで「障害者に対する社会的援助を充実する」28.1%、「社会行政のあり方を障害者や家族に優しく」13.7%、「障害者だけでなく、家族(両親・きょうだい)への支援がほしい」3.9%、「福祉に関する人的リソースの充実」3.6%、「その他」4.9% という結果を得た。

 2006 年度に行われた(社)全日本手をつなぐ育成会が行った「知的障害者の権利擁護(成年後見制度)に関する実態調査」において「本人の安心した暮らしの実現に必要なこと」の設問に対し、32.0%の人が地域社会の障害への理解を求めている。
 この調査によると一番多かった回答は「充実した福祉制度」40.3% である。
 両者の要望の一位が逆転していることは興味深い結果と考える。
 (社)全日本手をつなぐ育成会が行った調査では主に親が回答者となっている。
 つまり、親にとって充実した社会制度は必須の事項であり、ある意味で障害のある人と同じ視点に立っていると考えられるきょうだいしまいにとって社会の障害への理解は切実なものとなっているのではないだろうか。
 同様に(社)全日 本手をつなぐ育成会が行った調査において「高齢化時の不安」と「本人の将来について心配な点」 のクロス集計によると「生活面における人的・質的不安」が高い割合を示しており、本調査における「福祉に関する人的リソースの充実」と異なった結果を得ている。
 これも、親の立場ときょうだいの立場の違いを示したものではないかと考える。

 なお、本調査での「障害者に対する社会的援助を充実する」と「行政のあり方を障害者や家族に優しく」を合わせると 41.8% となり親と同様に社会行政からのさらに多くの援助が必要であることを表している。

 また、家族は障害のある人がいることによって起こる様々な社会的不利益に対し自ら一つずつ対処していかなければならず、かつ支援をどこに求めたら良いのかがわからない状況にあり(きょうだいにとっては特に)「家族に対する支援」を求める声も切実なものと思われる。

 近年、障害のある人に多くの社会の目が向けられるようになってきているが、未だに社会の障害のある人とその家族への理解、偏見差別の解消さらに障害者支援制度・社会的援助が十分であるとは言えずより多くの理解や制度援助の充実が必要なことが分かった。
 (植木きよみ)

障害のある人や家族が幸せに暮らすために、社会はどのように変われば良いか
 ① 障害者に対する社会的援助を充実する 109件 28.1%
 ② 障害者に対する理解を広め、偏見差別をなくす 178件 45.9%
 ③ 福祉に関する人的リソースの充実 14件 3.6%
 ④ 社会・行政のあり方を障害者や家族に優しく 53件 13.7%
 ⑤ 障害者だけでなく、家族(両親・きょうだい)への支援がほしい 15件 3.9%
 ⑥ その他 19件 4.9%
 全体 388件 100.0%

【引用おわり】



 きょうだいが望む社会の変化が上記のとおりだ。
 希望順で言えば、次のとおりになる。
 1番 障がい者に対する理解拡大と偏見差別の解消
 2番 障がい者に対する社会的援助の充実
 3番 社会・行政の障がい者に対するきめ細かな配慮
 4番 障がい者のいる家族に対する手厚い支援
 5番 福祉に優れた人材投入
 以上のような内容の充実に向けての施策も以前に比較して進展している。
 しかし、5番目の福祉を担当する人材の不足、さらに待遇改善、質の向上をもっと進める必要がある。

(ケー)
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