きょうだいは小学生の頃、「他の家族と違う」と感じた

 08, 2015 05:00
 家族に障がい者がいるきょうだいが、小学生の頃家族についてどう感じたか。
 それに関する調査が以下のとおりである。

 本調査の紹介は46回目になる。



【引用はじめ】

障害のある人の きょうだいへの調査 報告書

障害者の家族支援を目指すための調査研究Ⅱ
-特に支援体制が遅れているきょうだいへの支援を視野に入れて-
平成20年6月発行
財団法人国際障害者年記念ナイスハート基金
http://www.niceheart.or.jp/jigyonaiyomenu/kazokusien/

第1部 基礎データ編(アンケート調査)および分析編
第3章 障害のある兄弟姉妹がいることの影響
第 5 節 障害のある兄弟姉妹が家族にいること
植木きよみ・吉川かおり

●小学生の頃、「他の家族とうちは違う」と感じた点(問15 自由記述)

 「何らかの形で違いを感じた」ものが 64.6%、「特に感じなかった」ものが 33.8%となっており、多くのきょうだいが何らかの形で「違い」を感じていることが明らかになった。

 その違いを、肯定的に評価している場合もあれば、否定的に評価している場合も見られた。
 肯定的評価としては、「家族関係や雰囲気が違った(+)」として分類されている「家族がまとまっていた・強いきずながあった・仲が良かった」という回答、「行動範囲や生活体験が違った(+)」 として分類されている「行楽地のアトラクションに優先的に乗れる」といったものが挙げられる。

 しかしながら、違いの多くについてきょうだいは否定的な評価をしている様子である。
 具体的には、「家族関係や雰囲気が違った(-)」として分類されている「親の仲が悪かった・沈黙と暗い雰囲気・見えない壁がある・不幸な呪われた家族と感じた」という回答、「行動範囲や生活体験が違った(-)」として分類されている「家族旅行に行けない・ペットが飼えない・白い目で見られる・親の実家への出入り禁止・家に人を招くことができない・外出しても楽しめない・一時帰宅の世話で追われるので季節行事ができない」といった回答、「親との関係や日常生活が違った」として分類されている「親に甘えられなかった・障害児中心に生活が回っていた・家事の手伝いが多い・自由がない・健常なきょうだいばかり期待をかけられた・家は落ち着ける場所ではなかった・家族がお互いに接する時間がなかった・きょうだいが疎外されていた」といった回答が、 その例として挙げられる。

 また、「他の家族は幸せそうにみえた」という分類には、「何でも話せる関係がある・家庭に明るさや優しさがある・母親に余裕がある・子どもにやさしい」といった回答が含まれており、きょ うだいが感じている「他の家族との違い」の「否定的側面」については、合致していると言うことができると考えられる。(吉川かおり)

小学生の頃、「他の家族とうちは違う」と感じた点(記述)
 ① 特に感じなかった 102件 33.8%
 ② 負の感情を感じた 14件 4.6%
 ③ 家族関係や雰囲気が違った(―) 18件 6.0%
 ④ 家族関係や雰囲気が違った(+) 16件 5.3%
 ⑤ 親との関係や日常生活が違った 35件 11.6%
 ⑥ 行動範囲や生活体験が違った(―) 37件 12.3%
 ⑦ 行動範囲や生活体験が違った(+) 1件 0.3%
 ⑧ きょうだいの関係やおかれている状況が違った 41件 13.6%
 ⑨ 他の家族は幸せそうに見えた 12件 4.0%
 ⑩ その他 18件 6.0%
 ⑪ 何もかも違う 3件 1.0%
 非該当 5件 1.7%
 全体 302件 100.0%

【引用おわり】



 小学生の頃、障がい者がいたことによって、他の家族と違っていたと感じていたきょうだいが多かった。
 それが6割強にのぼる。
 その中身は否定的なものだった。
 家族関係がぎくしゃくしていると感じていた。
 障がい者を抱えた負担が、家族内に大きく影響していた。
 その時期が、きょうだいにとって小学生の頃だったとも言える。
 家族内の葛藤が一番ピークになっていた時期でないか。
 ただ、別に他の家族と違うと感じなかったきょうだいも3割強もいた。
 さらに、他の家族と違うと感じた中身が肯定的な評価も若干感じたきょうだいもいる。
 きょうだいが成長することでこうした境遇を受け入れられる要素も見える。

(ケー)
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