周囲から提供される要因によって影響を受ける

 21, 2015 05:00
 障がい者のいる家族のきょうだいは、周囲から提供される要因によって機能不全を起こす。
 それは、どの程度かを調べたのが以下の内容である。
   
 本調査の紹介は第28回目となる。



【引用はじめ】

障害のある人の きょうだいへの調査 報告書

障害者の家族支援を目指すための調査研究Ⅱ
-特に支援体制が遅れているきょうだいへの支援を視野に入れて-
平成20年6月発行
財団法人国際障害者年記念ナイスハート基金
http://www.niceheart.or.jp/jigyonaiyomenu/kazokusien/

第1部 基礎データ編(アンケート調査)および分析編
第2章 子ども時代の家庭での経験と自分の様子との関係性
第 2 節 困難な状況にあるにも関わらず 適応する力と自尊心との関係性
河村真千子

3. 結果

 レジリエンスはそれぞれが単独で影響力を持つわけではないが、障害のある兄弟姉妹に対する支援について考えるにあたり、要因の関連を検討する目的から、クロス集計結果をみる。

(1)周囲から提供される要因

 小学生の頃に「子どもの周囲から提供される要因 」 と「機能不全」の関係を見るために、クロス集計をした。
 その結果、周囲から提供される要因の高群は、機能不全度が「軽度」(3.2%)、「中度」(7.6%)、「重度」(89.2%)であった。
 周囲から提供される要因の低群は、機能不全度が「軽度」(9.2%)、「中度」(31%)、「重度」 (59.2%)であった。

 周囲から提供される要因が高群の方が、低群よりも機能不全「重度」が 30%も高い結果であった。

 そこで、周囲から提供される要因の内容を 検討分析した。

 両親は(母親もしくは父親)は、十分な関心を向けてくれた×実父との関係の満足度

 この結果から、小学生の頃、両親(母親もしくは父親)から十分な関心を向けられる程、実父との関係に満足していることがわかる。

 両親は(母親もしくは父親)は、十分な関心を向けてくれた×実母との関係の満足度

 この結果から、小学生の頃、両親(母親も しくは父親)から十分な関心を向けられる程、実母との関係に満足していることがわかる。

 家族はあなたに高い期待をしていた×実父との関係の満足度

 一方、「あなたの家族はあなたに高い期待を していた」という質問に対して、「ややあてはまならない」と回答した人が、実父との関係において「とても満足している」(25.5%)、「まあ満足している」(58.8%)という両方の合計が 84.3%であり、一番高かった。

 家族はあなたに高い期待をしていた×実母との関係の満足度

 同様に、「あなたの家族はあなたに高い期待をしていた」という質問に対して、「ややあてはまならない」と回答した人が、実母との関係において「とても満足している」(29.8%)、「まあ満足している」(62.5%)という両方の合計が 92.3%であり一番高かった。

 上記から、両親(母親ないし父親)は「十分に関心を向けてくれた」度合いが高い程、実父実母との関係の満足度が高い結果であった。
 それに反して、「高い期待をされた」度合いが 「ややあてはまらない」であることが、実父実母との関係の満足度が一番高いという結果である。
 このことは、「周囲から提供される要因」 として、両親(母親ないし父親)が「十分に関心を向けてくれた」ということと、「期待された」ということから得られる相違が、きょう だいへのレジリエンスに相違が生じるという ことであろう。
 そのことによって、「周囲から提供される要因」が高群であっても、「不全度」 の重度の割合が多いという結果に繋がるのではないか。

【引用おわり】



 きょうだいにとって、レジリエンス(回復力)を高めるには、周囲から提供される要因がどんなものかを調べた。
 機能不全を引き起こすのは、どんな要因かを明らかにすることだ。
 本調査によって、周囲から提供される要因が低い方が、機能不全の程度低くなっていることがわかる。
 さらに、両親のきょうだいに対する関心の向け方が高いと、満足度が高い。
 両親のきょうだいに対する期待度が低いと、満足度が高い。
 きょうだいのレジエンス(回復力)を高めるには、きょうだいに対して両親が関心を向けて、期待値を上げない方がいいということである。

(ケー)
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